インタビュー
2020/02/18 16:37
あわわ編集部

【徳島が舞台】映画『ぞめきのくに』脚本・音楽の川人千慧さんインタビュー【動画あり】

【徳島が舞台】映画『ぞめきのくに』脚本・音楽の川人千慧さんインタビュー【動画あり】

先週のアワログでご紹介した、徳島が舞台の映画『ぞめきのくに』

いよいよ、北島町の創世ホールでの上映会まであと5日となりました!!

↓ あらすじのおさらいはこちらから ↓

【徳島が舞台】映画『ぞめきのくに』あらすじ

 

先週予告しましたが、今日は!!

本作の脚本と音楽を担当された川人千慧さんのインタビューをお届けします!


【徳島が舞台】映画『ぞめきのくに』脚本・音楽の川人千慧さんインタビュー【動画あり】

-『ぞめきのくに』を制作した経緯を教えてください

監督の友利さんとは以前から知り合いだったんですが、3年前上京した際に「一緒におもしろいことをやろう」という話になって。アイデアを出し合っているときに「徳島では田植えが終わるくらいになると、夜に阿波おどりの音が聞こえてくるんですよ。阿波おどりの音は、徳島では“ぞめき”っていうんです」ってお話したんです。すると監督が「おもしろい、ぜひやってみたい企画だ!」と言ってくれて、脚本を書くことになりました。

18歳で県外に出てすぐ、“ぞめき”が聞こえてくるのは当たり前のことじゃないということに気が付いたんです。そのころから“徳島あるある”として話のネタにしていましたが、それがこの映画の原点ですね。

実は今、長編の制作も進行し始めています。

 

-主人公・未紗(葉月ひとみ)はどんな女の子なんでしょう

東京生まれ・東京育ちの高校2年生。母・早苗(美紗央)とともに東京から徳島へ来ることで、戸惑いっぱなしの女の子です。高校生って基本的に、のほほんと生きていると思うし、そうであるべきだと思うんですよね。でも、転校や引っ越しなど大人の事情で強制的に環境を変えられてしまうことで、のほほんと生きられなくなりイライラしてしまう。未紗も特別暗い性格ということではないです。

 

-未紗役の葉月ひとみさんについて教えてください

未紗役はオーディションで選ばせてもらいました。初めの段階で7~8人いましたが、最初からこの子かなと思うところはありました。

実際に、演じる葉月ひとみさんは東京生まれ、東京育ち。だから未紗の反応は、葉月さんに任せようと思っていました。深夜に撮影をしていて、何を食べるかという話になったんですが、葉月さんが「ウーバーイーツ頼んだらいいじゃん!」って言ったんですね。「徳島にあるわけないやん!」って思ったんですけど、“あるわけない”のが理解できないんですよね。都会と田舎の違いをなんとなく頭で想像できても、肌感覚では分からないんです。そういった感覚のズレによる戸惑いなんかも、葉月さんが上手に演じてくれています。

ただ、田舎くさいとか否定的なことはまったく言わないんですよ。よく映画なんかで田舎に行くと、「こんな田舎なんて」みたいな言い方をするけど、そういうことはなくて。初めての場所を楽しんでいるような感じだと思います。


-ほかの出演者についてはいかがですか

同級生の和葉(北島愛子)や、家に押しかけてくる近所のおばちゃん3人、学校の先生などは徳島でオーディションを行いました。

和葉役の北島さんは脇町高校の演劇部に所属しています。本人も「この役は自分にすごくぴったりだと思う、親しみを感じる」っていう風に言っていて。私も実際にオーディションで見たときに「あ、確かに」って思いましたね。ダンス経験者なので阿波おどりも元々上手でしたが、阿呆連さんの練習に参加してきっちりと仕上げてくれました。

近所のおばちゃんはもともと一人の予定でしたが、オーディションを見て、何人かいたほうがおもしろいんじゃないかと思って、3人になりました。野中さんはぐいっと力強いタイプ、遠藤さんはナチュラルな感じ、堀抜さんはおっとり系。この3人には、徳島で生きることを楽しんでいるという部分を大事にしました。

副連長役で出演いただいた立川さんは、本当に阿呆連の副連長さんで、お願いして出ていただきました。今回阿呆連のみなさんにもご協力いただいています。立川さんが出てくれることによって、阿波おどりのシーンはこれ以上出ないってものが出来上がりました。

 

-阿呆連さんの協力はどんなふうに実現したんですか?

2018年の6月に友利監督とカメラマンとロケハンに来たんです。6月だったので、どこかで練習している連があるんじゃないかと思って、探して歩いてみたんです。すると東新町商店街で練習している連を見つけたんですが、それが阿呆連さんでした。勢いで声をかけてみたら、二つ返事でOKをいただいて。私たちのほうが驚いてしまいました(笑)。

 

-実際の撮影はいかがでしたか?

撮影は去年の8月14日~18日にかけての5日間。阿波おどり本番の撮影は14日に予定していたんですが、台風で阿波おどり自体が中止になってしまって。それでも、練習風景を撮影する日に、阿呆連さんに無理を言ってご協力いただきました。

 

-印象に残っていることはありますか?

合宿所や外で撮影の準備をしているとき、だんだんみんな、“ぞめき病”にかかっていって…(笑)。「あれ、ぞめきが聞こえる気がする」ってみんな言い出したんですよ。ぞめきの幻聴がきこえるようになってきて…。ひとりが「聞こえない?」と言えば、「私も聞こえる気がする」って続々とみんなが心のぞめきに支配されていきましたね。ぞめきのリズムが、それだけみんなに大きな印象を残したんでしょうね。

 

-2月23日(日・祝)には上映会がありますね

北島町の創世ホールで、2回上映会を行います。

舞台挨拶には、未紗役の葉月ひとみさん、和葉役の北島愛子さん、隼人役の幸地生剛さん、監督の友利翼さん、助監督の清本章太さん、撮影監督の地村俊也さん、それに私が登壇する予定です。

ひょっとしたら、自分の住んでいるところ(徳島)の新しい見方ができるかもしれない作品になったと思いますので、たくさんの徳島のみなさんにご覧いただければと思います!


最後に川人さんからメッセージです!!

Profile

川人千慧(かわひとちあき)

作曲家。1985年生まれ、北島町出身。京都大学法学部卒。大学時代はアコースティックを中心とした音楽サークルに所属。就職後もバンド活動を続け、当時所属していたバンド名義で友人の映画に音楽を提供したことをきっかけに、個人での音楽活動を本格化。現在は映画やテレビCMの音楽制作などを中心に、脚本なども手がけ幅広く活動する。

 

映画『ぞめきのくに』公式サイト

 

『ぞめきのくに』上映会

2月23日(日・祝)

1回目 10:20開場、10:30開演

2回目 13:50開場、14:00開演

場/北島町立図書館・創世ホール(板野郡北島町新喜来南古田91)

料/入場無料

P/有

登壇者/葉月ひとみ、北島愛子、友利翼、川人千慧、清本章太、幸地生剛、地村俊也

問/090-5551-5490(ムサシノキネマ商会)

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