2020/08/23 13:18
しげさん
『イケてる! 農業者さん数珠つなぎ』第2回 坂田農園 坂田哲也さん
口を開けば「暑い~!」という言葉しか出てこない今日この頃、みなさん元気にお過ごしでしょうか?
私は今年のお盆はコロナの影響で故郷の京都には帰省せず、
海釣り!
川遊び!
畑!
と一定のソーシャルディスタンスを保ちながら徳島ライフを満喫し…。
真っ黒にコゲました…。
こんにちは! しげです。
あわわでは企画制作部というところでなんかしてます。そんなしげの別の顔はなにを隠そう、アワログライター!
ある日、秘密結社アワログの総帥から
「お前たちの得意なジャンルで読者をアワログ沼に引きずり込め~!」
との指令が下りました…。
そこで! アワログライターのしげがどっぷりと読者さんを引きずり込むべく選んだのは…。
そう! 農業!
そうして始まったこの企画ですが、梅雨の長雨やコロナ、夏の猛暑もあり、なかなか取材に行けないなと思っていたところ、あわわ読者さんから興味深い情報提供がありました!
要約させていただくと
「鳴門市里浦のサツマイモ畑に華奢な感じなのに頑張って農作業をされている農業女子がいます。彼女がどういう経緯で農家になったのか気になります。農業に若い世代が関心を持つきっかけになる人ではないかと思いました。あわわさん、ぜひ取材してください。」
といったものでした。
追加で、その畑の場所は聞きましたが、はたして誰の畑でどうやってコンタクトをとったものか…。
しかし!
そこは、今年で40周年を迎えるあわわ。そのネットワークと情報収集力は伊達じゃない。
なんと、2ターン目でコンタクトに成功しました。
すげぇーぜ、あわわ。
というわけで、今回はその農業女子が働いている里浦の坂田農園さんに行ってきました!
畑に到着するとなにやらすげーマシンが!
か、かっこいい!
「こんにちは~!」
え? これってデジャブ!?
坂田農園 坂田哲也さん(45)
まずは、坂田農園の三代目、坂田哲也さんのご紹介。
坂田さんは、福岡の大学で体育系の学部で学ばれ、その頃は特に実家に戻って農業をしようとか考えてはいなかったそうです。
そんな坂田さんが徳島に戻って農業を始めた転機は?
足の骨折…。
え!?
第一回の横田さんの転機もご自身のケガ(骨折)…。
なになに? 骨折すると人は農業に目覚めるのか!?
そんな坂田さんのメイン栽培品目は、里浦のブランド野菜、サツマイモの[里むすめ]。
そして、サツマイモの裏作として栽培している青首だいこんの[里むすめ]。
ん? どっちも同じ名前なの? と思われたあなた! 答え合わせはのちほど…。
別業種から転身、今は農業女子
大西彩子さん
さて、あわわ読者さんから取材してほしいと言われた農業女子は、大西彩子さん。
坂田農園で就農して2年目、出身は美馬市脇町。就農前の仕事はアパレル関係で、住んでいたエリアも沖縄、名古屋、東京、岡山と日本各地を渡り歩いていた経験の持ち主でした!
今回は、坂田さんと彩子さんの息もぴったりで楽しい会話だったので、こちらの形式で進めます。
しげ:アパレルの仕事から全く別業種の農業を仕事にしようと思ったきっかけは?
彩子さん:好きなアパレルの仕事で好きなブランドの店でも働けて、夢もかなって幸せだったんですが、「ずっと同じ仕事をしていくのもなぁ…」と考えるようになっていたところに、ふと、農業をやっている知り合いのことが頭に浮かび、相談したところ紹介されたのが、『坂田農園』でした。
しげ:(よかった、骨折じゃなかった…)そうなんですね。農業を始めて大変だったことはなんですか?
彩子さん:やっぱり、最初のころは全然体力がなくて重い物も持てないし、すぐバテちゃうし…。就農したころは今よりもっと細かったですし、毎日全身筋肉痛でわけのわからないところがギシギシいってました。
しげ:わかります! 農業始めたて“あるある”ですよね。
坂田さん:今では、収穫かごの大きい物も全然持てるくらいになってますけどね(笑) やっぱりやる気は大事!
彩子さん:あと虫はまだ苦手です(笑)
坂田さん:畑でよく「キャー! キャー!」叫んでるよね(笑)
彩子さん:うちの畑は、ちゃんと除草や防除しているから全然虫少ない方だとは思うんですが、やっぱり0ではないので。
坂田さん:この畑、中学校の真ん前にあるじゃないですか。だから地域のサツマイモ農家さんの子どもたちも通ってるもんで、ヘタに雑草生やしたり、害虫いたりとか、かっこ悪いことができないです(笑)
しげ:それは大変ですね。でも結果的にきれいな畑になっていいですね。あ、よかったらこの芋づるもらってもいいですか?
坂田さん:いいですけど、どうするんですか?
しげ:食べます
坂田さん:え?
しげ:え?
坂田さん:食べるんですか?
しげ:食べないんですか?
坂田さん:食べたことないです
しげ:え?
坂田さん:え?
彩子さん:食べるって人もいるよ
坂田さん:そうなの? じゃあ、なんぼでも持って帰ってください!
しげ:ありがとうございます! 1本1本皮むくの大変ですけど、おいしいですよ。
坂田農園のこだわりと目標
しげ:話を戻しまして。農業をされる上でのこだわりポイントは?
坂田さん:違うことを作らないということですかね
しげ:といいますと?
坂田さん:野菜を作るうえで、必要以上に何かを足し過ぎず、減らし過ぎず…。基本的にその地域の風土が野菜を作ると考えています。ヘタに手を加えすぎてしまったら、それはもうその土地の伝統野菜ではなくなるんじゃないかと思います。
しげ:なるほど、ありがとうございます。すごく深くていい話ですね。やっぱり農業はその土地や気候とともに営むものですよね。
これからの目標はありますか?
坂田さん:そうですね、地域のみんなと伝統野菜を絶やさず守っていくことでしょうか。
彩子さん:徳島から出たくていろいろな地域で働いてましたが、里浦で農業をして徳島が好きになりました。里浦の人はみんな優しくて、自分のことも認めてくれますし。これからもここで農業を続けて行くのが目標ですかね。
しげ:ありがとうございました!伝統を絶やさず、守っていくことは大事ですよね。お二人ともこれからもおいしい野菜づくり頑張ってください!
サツマイモ畑は基本、畝を作りマルチ(黒いビニール)をかけて、苗を植えます。マルチをかけることによって、地温を保つ、雑草が生えにくくするなどの効果があります。そのマルチの中で、サツマイモがすくすく成長していきます。 そんなマルチですが、収穫のときにはすべて取り除く必要があるんですが、これがなかなかに大変! 農家さん、どうしてるんだろうと思ってました。 そしたらコレ!すご!
砂の中からぴょこっとサツマイモが顔を出してますね!
それを今度はこのマシーンで掘り起こして選別していきます。
うん、ほんとこの企画の取材勉強になるわぁ
そして、めっちゃ楽しい!
昭和20年、高知県の農事試験場で早掘り用品種として選抜。これをさらに改良、変異種を選別したものが、徳島で栽培されている[鳴門金時][里むすめ]。 収穫時期は9月上旬から11月。 食感は昔ながらの“ほくほく系”。収穫された状態でも甘みは強いが、貯蔵することでデンプンがショ糖に変化し、より甘みが増す。 徳島の温暖な気候と鳴門の砂地が栽培に適しているため、通常より収穫時期が早いようです。
農家さんおすすめの食べ方は?
サツマイモ[里むすめ]のおすすめは
さつまいもプリン
[里むすめ]は冷やしても甘みを損なうことがないので絶品。暑い時期は特にふかし芋を冷蔵庫で冷やして食べるのもおいしいですよ。
青首だいこん[里むすめ]のおすすめは
おでんや煮物
砂地栽培で、きめ細かいだいこん[里むすめ]なので、おでんなどの煮物にしたらとろけます。繊維をまったく感じず滑らかな食感を楽しめます。
あわわの料理男子、まっつん
食レポ待ってまーす!