2021/06/18 09:56
みくりさん
【街ネタ/NEHAN TOKYO(ネハントウキョウ・東京都港区)】会社を、従業員を護りたい。社長の想いが造った徳島発のD2Cブランド
”D2C”とは”Direct to Consumer”の略で、自社で企画・製造した商品を広告代理店や小売店を挟まず、消費者とダイレクトに取引する販売方法のことです。ECサイトなどが増えてきた近年では、珍しくないスタイル…ですが6年前の、しかもこの徳島で、となるとどうでしょう?
導入から「ちょっと堅いお話かな?」と思ってしまったかもしれませんが、今後徳島を担う若い方にもぜひとも読んでいただきたい内容となっていますので、よろしければお付き合いください。
今回取材を行ったのは、精製硫酸マグネシウム日本一のメーカーを誇る馬居化成工業株式会社さんです。鳴門市に本社を構える創業420年の老舗企業ですが、今や東京表参道でD2Cブランドの実店舗も経営する新たな顔も持った凄い会社なんです! ブランド6周年を迎える今回、店舗のリニューアルを行ったということでぜひとも美容マニア主婦として取材させていただきたい! と思いコンタクトを取らせていただきましたところ、なんと馬居社長本人にお電話でお話を聞くことができました。
東京表参道。おしゃれな店舗が点在する通りの一画に、猫足のバスタブがデザインされたモノクロ看板が掲げられるお店『NEHAN TOKYO』。こちらが馬居化成工業さんが立ち上げたバスソルトブランドのコンセプトショップです。「日常をちょっとやわらかくする。」との願いを込めて、鳴門市の自社工場で1つ1つ手作りした商品をお届けしています。(取材経費の関係で直接店舗へ伺うことはできませんでしたが、行ったつもりでご覧ください。)
■馬居社長との電話取材
みくりさん:2015年6月に立ち上げたブランドということですが、厳しいコロナ禍という中でなぜこのタイミングでのリニューアルに至ったのでしょうか?
馬居社長:ブランドが6周年を迎えるタイミングであったこと。また、コロナ禍で店舗販売が落ち込む中ECの販売が伸びてきたんです。そこでECを取り扱う店舗兼事務所としても機能させたいと考えました。さらにECで動画コンテンツを充実させたいということも念頭にあったので、店舗自体にスタジオとしての機能も持たせたかたちにしました。
みくりさん:なるほど、だから店内のデザインをお店の名前にもなっている”涅槃”をイメージして改装されたんですね。
馬居社長:そう。涅槃と言えば蓮池。店舗全体を蓮池に見立て、床は泥沼風に、カウンターは水面を表現してデザインしています。
みくりさん:リニューアル後のお客さんの反応は?
馬居社長:まだリニューアル間もないですからね。ただレセプション期間が6/14までだったんですが、コロナ明けが近いからか、たくさんの方に来ていただいています。おおむね好評ですよ。
みくりさん:ターゲットとされている年齢層は?
馬居社長:『NEHAN TOKYO』の商品は価格帯が少し高めなので30~40代。ですが実際の利用者は幅広くて、若い方や男性にも好評です。
みくりさん:プレゼントで頂いた商品をインスタにアップしてる方をよくお見掛けします。
馬居社長:そうですね。ギフト関連はよく売れています。
みくりさん:『NEHAN TOKYO』で1番おすすめの商品は?
馬居社長:純度99.99%を誇る国内最高純度のエプソムバスソルトです。こちらは番組の企画で訪れた某有名俳優さんにも購入いただいているんですよ。
馬居社長:はい。エシカルな試みとして始めたんですが、お客さんには好評です。自分で容器を持参して好きな分だけ入れられる仕組みになっています。
みくりさん:お部屋のインテリアに合わせて入れ物を自由に選べるのは確かに嬉しいですよね。 そもそものお話になってしまいますが、なぜ東京からお店を始められたのでしょうか?
馬居社長:『NEHAN TOKYO』のブランド立ち上げよりも1年くらい前に、ECのみでバスソルトの販売を始めたんです。最初は全然売れませんでした。そこで試しに東京の渋谷ロフトと、徳島の『LOVEST』さんで店頭販売をしてもらったんです。そしたら普通は東京の方が売れると思うでしょ?でも違った。『LOVEST』さんでの売り上げが圧倒的によかったんです。それが何故なのかと、お店のオーナーさんに話を聞いたところ「販売する際に”徳島の会社が造った商品であること”など商品説明を丁寧に行った」ということだったんです。店舗を立ち上げよう思ったのはそれがきっかけ。場所が東京だったのは、元々会社の営業所が東京にあって、そこを移転する際に事務所兼店舗にしようと物件を探しをして見つけたのがここ表参道だったんです。
みくりさん:6年前だとおそらく他に徳島でD2Cブランドを立ち上げられている会社もなかったのでは? 先駆けとなるプレッシャーはなかったですか?
馬居社長:それはもちろんありましたよ。すごく。正直周りの保守的な人からは否定的な意見もありました。
みくりさん:そういったご苦労もあったんですね。
馬居社長:でもうちには大手企業の下請けしていた工場があったんですけど、10年前くらいからグローバル化でだんだん需要が減ってきたんです。工場は人材が余ってしまい、ドライに人員削減を選択する道もありましたが、それだけはしたくなかった。そんなある日、会社宛てに主婦の方から「個人で硫酸マグネシウムを売ってもらえないか」と問い合わせがあったんです。何気なく「何に使われるんですか?」と聞いたら「ハリウッドの人気女優がエプソムソルトを愛用している。自分でも作ってみたいのでその原料として売ってほしい。」って言うんです。なるほど、って思いましたね。それと同時期に、私が某ブランドの入浴剤をプレゼントで貰う機会があったんです。その1個あたりの単価が500円前後だと知った時、正直「うちでならもっといいものが作れる」と思った。その2つの出来事がきっかけとなり、余った人材を使って自社で新しくバスソルトを作ろうと思い立ったんです。
みくりさん:製造に関しては工場の人材で対応できたと思うのですが、ECサイトの立ち上げなどに新たな部署の新設や人材が必要になったんでしょうか?
馬居社長:いや、そこは私が自分で立ち上げを行いました。厳密には私とチルダアットマークさんという県内のHP制作会社の方とで、通常業務をしながら隙間時間でやってましたね。
みくりさん:社長自ら? すごいですね!
馬居社長:『NEHAN TOKYO』を立ち上げる前の期間ですがね。その後からですよ。ブランドの創設や店舗出店のために東京で人を雇ったり…。
みくりさん:今後、徳島で『NEHAN TOKYO』として店舗出店の予定はないんでしょうか?
馬居社長:今のところは…まだ1店舗目ですしね。おいおい…。でも1年ほど前から『NEHAN TOKYO』の姉妹ブランドとして『FRO BATH SALT』を立ち上げています。こちらは『NEHAN TOKYO』よりも手に取りやすい価格帯にしていて、すでに都内のロフトやドンキなどで販売を開始しています。こちらは全国的に広めて行きたいと考えているので、そのうち県内のドラッグストアに並ぶ日も近いと思いますよ。
みくりさん:ぜひその日を楽しみにしています! 本日はお時間いただきありがとうございました。
いかがでしょう?電話取材はここまででしたが、会社のため、従業員のために周囲の批判すら撥ね退け新たな試みをされた馬居社長のお話は、まるでドラマのように私の心に残りました。今後の目標もしっかり定まっているそうなので、まだまだ続くチャレンジを応援していきたいです。ちなみに、『NEHAN TOKYO』の商品は徳島でも購入できる店舗があるので、気になった方はぜひお店に足を運んでみてください。
■NEHAN TOKYO県内取扱い店舗
※県内結婚式場でブライダルギフトとしても取り扱いあり。
◆Ciel by Lovest
板野郡北島町鯛浜字西ノ須64-11(TEL:088-624-7749)
◆LOVELY
名西郡石井町高川原字天神544-1 フジグラン石井内(TEL:088-675-3031)
◆KOYO GOLF CLUB
鳴門市撫養町木津字嬉谷1334-4(TEL:088-685-0044)
◆Beauty treatment salon TREE
徳島市南前川町3-1-6 パークウエストン隣ビル1F(TEL:088-660-1648)
◆LEAF SPA Aroma&Relaxing
徳島市吉野本町1-13-1 マ・メゾン吉野1F 4号室(TEL:088-600-8301)
NEHAN TOKYO
- 住所/東京都 港区北青山 3-10-21
- 電話/03-6433-5589
- 営業時間/12:00~18:00
- 定休日/火
- 駐車場/なし