2022/10/05 09:00
しばやん
【子どもとアート】徳島県立近代美術館(徳島市)美術館デビューにもよし!誰もが楽しめるユニバーサル美術館
徳島県立近代美術館
国内外の絵画、彫刻、版画を中心に4000点以上の美術品を所蔵。館内にはこの中からおよそ100点が展示され、定期的に展示内容が入れかわる常設展示と、季節ごとの特別展が行われています。テーマは「人間像」で、ロビーにある親が子どもを抱っこしている様子を抽象的に表現した大きな彫刻をはじめ、芸術家によってさまざまな形で表現された「人間」を目にすることができます。
誰もが楽しめる美術館を目指して
美術館が近年注力しているのが「ユニバーサル事業」。年齢や性別、障がいの有無を問わず、赤ちゃんからお年寄りまで誰もが楽しめる美術館を目指す取り組みを行っています。「美術館は大人が静かに絵を鑑賞する場所」というイメージから、小さな子どもがいる家庭は足が遠のきがちになりますが「ちょっとひと息つきにくる、それくらい気軽な気持ちで来てほしい」と美術館のスタッフさんは話してくれました。
美術館のユニバーサル事業を担当する学芸員の竹内さん(通称・たけちゃん)と学校連携事業を担当する亀井さん(通称・かめさん)。
竹内さんは開館から32年間学芸員(専門は版画)を務めています。2004年に「こども鑑賞クラブ」をスタートさせ、先日は当時鑑賞クラブに参加してくれていた子が社会人になって訪ねてきてくれたそうです。
亀井さんは美術の先生として支援学校に勤務していた経験があり、現在は幼稚園や保育園への出前授業で子どもたちにアートの魅力を伝えています。
「作品を見て感じ方は人それぞれです。正解も間違いもありません。大人も子どもも感じるままに自由に楽しんでほしいです」と竹内さん。
保護者も「説明しなければ、教えなければ」といったプレッシャーを感じる必要はないといいます。
美術館の空間や雰囲気を味わったり、自由に感想を言い合ったり。それだけでもここでしか味わえない特別な時間を過ごすことができそうです。
子どもたち用に配布されているルール絵本には、大声を出さない、走らない、さわらないといった鑑賞マナーが優しい表現でわかりやすく書かれています。
ロビーにあるのは2018年に誕生したくつろぎコーナー。木製家具やペンダントライトによって温もりのあるやわらかな雰囲気に。ちびっ子用の小さなイスとテーブルも用意されています。
取材時(9月中旬)は「彫刻作品に吹き出しをつけてみよう」という企画が実施されていて、彫刻の考えに思い思いのフレーズが寄せられていました。同じ作品を見ても「暑い」「寒い」「お腹空いた」など、人によって感じ方はさまざま。ひとつひとつに目を通していくのもおもしろいですね。
美術館内は原則撮影不可ですが、おすすめの1点を撮影スポットとして展示しており、ここだけ撮影が可能です。
「美術館は今自分に必要なものと出会える場所。そのときの自分自身によって、絵の印象は変わります。すべての作品をじっくり見る必要はありません。大人も子どもも今の自分が気になる作品を鑑賞して、美術鑑賞を楽しんでみてくださいね」。
「アート鑑賞に年齢は関係ありません。家族でどの作品が好きか話あったり、お家に飾るならどの絵がいいか探してみたり、家庭に合わせた楽しみ方があります。それぞれの好きなコースで感じるままにまわってみてください」。
PRICE
●入館料/一般200円、高校生・大学生100円、小学生・中学生50円
※小・中・高生は土日祝と長期休み期間は観覧無料、大学生・一般は祝日の観覧無料
徳島県立近代美術館
- 住所/ 徳島市八万町向寺山(文化の森総合公園内)
- 電話/088-668-1088
- 営業時間/9:30~17:00
- 定休日/月曜(祝日の場合は開館、翌日休)
- 駐車場/446台 ※大型バス駐車場あり(8台)