2023/01/07 14:00
まっつん
【みなみ動物病院(板野郡藍住町)】寒さで体調を崩すのは動物たちも同じ これからの季節注意すべき犬猫の病気
冷たい風に、しとしと降る雪。
今年も本格的な寒さが到来し、体調がすぐれないという人も多いのでは?
実は寒さによる不調は人間に限ったことでない。
犬や猫を飼っている人が、これからの季節注意すべき病気とその対策について
藍住町にある『みなみ動物病院』の南先生に教えてもらった。
犬や猫を襲う咳やくしゃみといった風邪のような症状は実は…
気温が低くなるとそれに応じて体温も下がってしまい免疫細胞の活動が低下、免疫機能が下がってしまう。
そうなってくると体の常在菌を抑えられなくなり、目に見えて症状があらわれる。
猫に多いのはヘルペスウイルスに起因する目ヤニ、くしゃみ、咳、鼻水といった症状。
ヘルペスというと発疹のイメージだが、猫の場合はこういった風邪のような症状が特徴的。
悪化すると気管支炎を患い、さらに進行すると肺炎へと移行し呼吸困難をきたすケースもある。
犬の場合はウイルスによって病気になるリスクは猫ほど高くないが、慢性気管支炎や気管虚脱などがあり、万が一症状が悪化すると猫と同じく肺炎に移行する。発作的に咳が止まらなくなり命に関わる事態に発展してしまうことも少なくない。
動物病院でできる治療は対処療法となり、抗炎症剤や、痰をきる薬、気管を拡げる薬の投与などが基本。また、常在菌の過剰増殖を防ぐために抗生剤も用いる。
症状がひどいとステロイド剤を使う場合もあるそう。
だが、できればそういった負担をペットにかけさせたくないところ。
免疫力を低下させないためには、部屋の乾燥を加湿器を使って防いだり、室温を過ごしやすい一定の温度に保ったりすることが重要。
人が留守にしているときもエアコンを使って室温を20℃前後にしておくのがベストだ。また、ペット用のヒーターの活用も一定の効果を発揮するとのこと。ちなみにハムスターやハリネズミの場合、室温は25℃前後を目指すとよい。
まだまだある、冬の落とし穴
また、このほかにも寒さが原因で、体調不良につながってしまうケースがある。
猫の場合、冬になると水分摂取量が少なくなり、尿石症を発症・再発させることがある。尿石症は尿路に石ができて血尿や頻尿、排尿困難などさまざまな症状を引き起こす病気。尿のなかに含まれるミネラルが溶けきらずに結晶化したもので、水分の摂取量が減少するとリスクが高まる。
猫は舌の感覚が鋭敏で、冷えた水をあまり飲んでくれない。水道の冷たい水や水飲み場に放置した冷え切った水ではなく、常温に戻した水を用意してあげることで対策できる。また、特別に調整された尿石用療法食を与え飲水を促す場合や、噴水のようなおもちゃを使って遊び感覚で水が飲めるようにしてあげる方法もある。
また、子猫・子犬のうちは寒さが命取りになることもある。
特に生後3カ月程度の小型犬の子犬の場合は影響を受けやすく、寒さによるストレスで糖の消費が促進され、低血糖症になってしまうこともあるのだ。なんとなく元気がないように見えたり、食欲不振といった変化がまず現れ、進行するとけいれんや脱力が進んで昏睡状態に至る場合も。
燃料費・電気代の高騰や節電協力のよびかけで暖房を我慢する風潮になっているが、ペットは自由に防寒ができない!
我が家の生活環境が人だけではなくペットにとっても最適なものなのか、今一度チェックしてみては?
少しでも「おや?」と思ったら、かかりつけの動物病院へ相談を!
みなみ動物病院
- 住所/ 板野郡藍住町奥野矢上前 44-1
- 電話/088-679-6714
- 営業時間/9:00~12:00、16:00~19:30(受付は診療終了の30分前まで)
- 定休日/水 その他休業日/日曜と祝日の午後
- 駐車場/6台