【味工房（あじこうぼう・吉野川市鴨島町】鴨島町の裏通り、住宅と畑に囲まれた倉庫のような居酒屋でランチを食べてみた!?

ある日、吉野川市鴨島町での取材帰りのこと。国道192号線への近道と裏通りを進んで、住宅街に迷い込んでしまった。

と、そこに目に入ったのはサービス定食ハンバーグ&スパゲティ750円という文字。
えっ、こんなところに飲食店？と車の窓から見えたのは、まるで倉庫、いや限りなく倉庫に近い居酒屋さんらしき建物だった。縄のれんもかかっているし、営業中の立て看板も出ている。「気になる～」。ということで店内に入ってみることに！

外観は倉庫そのものだったが、店内はしっかり居酒屋さん。「すいませーん、やってますか？」「いらっしゃいませ、やってますよー」と年配のご主人。
カウンターに座って「サービス定食お願いします」と注文。「はーい。少しお待ちくださいね」。

定食がくるまで店内を見渡すと。やはりもともと倉庫だったところを改装しているようだ。右手奥には座敷もあるらしい。
カウンター越しに見える厨房でご主人がハンバーグを調理しているようで、甘辛いソースの香りがしてくる。

「お待たせしました」。

750円だけど、味もボリュームも大満足できる！

いやいや、これで750円!?
かなり大きめのハンバーグに、サラダ、小鉢、味噌汁、漬物付き。
メニュー表にあったスパゲティはというと、ハンバーグの下にドーンと敷かれてあった。
さっそくいただくとする。

ハンバーグやわらかーーーーい！
そのうえソースうまーーーい！
なんやろ、ソースにミンチも入ってるような･･･。

「ご主人、このソースはなんですか？」「えっ、鶏ミンチを使ったミートソースにウスターソースを加えて煮込んであるんですよ」。

なるほど、この甘みはミートソースの甘みなのか。いやいや、これはご飯が進む甘辛さ。

「ハンバーグ、けっこう大きいですね」「そうですか？　150gぐらいですけど。ご飯は若い方が来たら多めに入れてあげてますけどね」

でもなんで住宅街と畑の真ん中で居酒屋さんやっているのか、気になるのでご主人に話を聞いてみた。

ご主人の三木田さんは、今年72歳。20歳で大阪へ和食の修行に出て、全国各地のホテルの和食部門を経験したいわゆる“流れ板”をやっていたのだとか。「大阪の黒門市場に、紹介所っていうのがあって職場の斡旋をしてくれるんですよ。いろいろ行きましたよ」。

60歳で生まれ育った鴨島町へ帰って実家であった場所の倉庫を改装してお店を始めたそう。しかし、65歳の時に足を悪くして最近まで休業していたのだとか。

経験豊富な和食のプロが作る酒の肴にも晩御飯のおかずにもなる一品料理

一品も気になったので［だし巻き玉子］（400円）もオーダー。玉子を2個使って出汁は多めにしてあるから、ふわふわ食感。

お昼はサービス定食、夜は［だし巻き玉子］［エビフライ］［とりの照焼き］といった一品料理をオール400円で提供する居酒屋さんとして営業中なんだって。
また予約制で付き出し・刺身・揚げ物など料理3品と中瓶ビール1本ついた［味工房おすすめセット］（1,900円・2名以上）という仕事終わりのちょっと一杯にもってこいなセットメニューもあり。お酒を飲まない人向けにはビールを釜めしとみそ汁に変更もOK！　これはかなりお得。

まわりは畑と住宅に囲まれていて、まさか飲食店があるとは思えない場所なので、まさしく隠れ家的という言葉がぴったりの『味工房』。吉野川市在住の皆さんはもちろんだが、市外から吉野川市を訪れたならコストパフォーマンス抜群なサービス定食を食べてみて。