2023/04/10 09:00
まっつん
【イベントレポート・サイン本プレゼントあり】お遍路本作者が魅力を語る! 田中ひろみさん 中野周平さんトークライブ@平惣徳島店
新型コロナウイルスによる行動制限や規制が緩和され、おでかけのハードルが少しずつ以前のように戻りつつある今日この頃。
車を走らせているとお遍路さんを見かける機会が増えてきた。
2020年4月の緊急事態宣言化、四国八十八ヶ所霊場はすべて閉山。
1200年以上という長い歴史のなかでも、未曾有の危機に陥っていた。
6月に県をまたぐ移動が解禁になったものの、外出を控える傾向は継続。
「お遍路さんはめっきり減少してしまった」と聞いていたが、徐々にその数も戻ってきているのかもしれない。
徳島に根差したメディアを目指す「あわわ」としては、さらに機運を盛り上げ、以前のような活気を取り戻すお手伝いをさせていただきたいところ!
その足掛かりなればと、先日『平惣』×『西日本出版社』のコラボイベントとして開催されたお遍路本作者によるトークライブを取材。
お遍路の魅力を教えてもらった。
トークライブが行われたのは、徳島市にある書店『平惣徳島店』。
この3月に発売になったばかりの『四国遍路別格二十霊場空海伝説の地を旅する』の作者田中ひろみさんと、同じく『西日本出版社』から自身の通し打ちの歩き遍路をイラスト入りで紀行文のように紹介した『僕の歩き遍路 四国八十八ヶ所巡り』を出版した中野周平さんがゲストとして招かれた。
中野周平さん
Profile/1989年山口県生まれ。学生時代の最後の夏に2週間かけで四国をめぐり、はじめて本場のお遍路文化に触れる。卒業後はシステムエンジニア、森林土木調査の仕事を経て、30歳になった2020年に仕事を辞めて念願の通し打ち(一回の旅で四国八十八ヶ所を巡りきること)の四国遍路に挑戦。現在は果樹園で働きながらイラストレーターや文筆家としても活動する。お遍路の魅力に取りつかれ、自身のことを「歩き遍路リピーター」と語っている。
田中ひろみさん
Profile/イラストレーター&文筆家。奈良市観光大使。女子の仏教レジャーサークル「丸の内はんにゃ会」代表。大阪府堺市出身で、幼い頃から何度となく空海が開いた高野山に足を運び、数々の偉業や伝説について知識を深める。いつの頃からか空海を自身のスーパーヒーローととらえるようになり、聖地巡礼として四国遍路へ。結願後も興味・憧れは増すばかりで、このたびより色濃く空海伝説が残る別格二十霊場をめぐり、参拝のガイドブック的な役割を担う本を出版した。弘法大師誕生1250年「特別御朱印」のイラストを担当している。
トークショーでは、二人がなぜお遍路に興味をもったのか、実際に行ってみて印象に残っている札所や感動したおもてなし、それぞれが出版した本についてなど、約1時間にわたってお遍路旅や霊場巡りの魅力について語った。
46日間の歩き遍路旅のリアルを伝える『僕の歩き遍路 四国八十八ヶ所巡り』
中野さんの手掛けた『僕の歩き遍路 四国八十八ヶ所巡り』は、2020年に実施した一度の遍路旅で八十八ヶ所霊場をすべて参拝する通し打ちの記録になっている。
移動手段は歩き・宿泊は野宿を基本とした中野さん。
遍路道を歩いてみて感じたことや道中の苦労話、実際に活用した道具や旅でかかった予算のことなど、旅のこと細かくを1日ずつイラストをはさみながらわかりやすく紹介してある。
お遍路には常に弘法大師と共にあるという意味で「同行二人」という言葉があるが、読み進めるうちに自分も旅に同行しているような気分になれる。
「元々長い旅に憧れていたのもありますが、お四国病という言葉もあるように、お遍路を終えたあとにもかかわらずまた行きたくなってしまう魅力があるんです」と通算3度の遍路旅を行った中野さん。
野宿する場所が見つからず困り果てていたときに親切にしてくれた現地の人たちとのエピソードや、SNSのフォロワーとの交流、偶然にしてはでき過ぎている不思議な体験など、時間を忘れて1日、また1日と読みすすめてしまう。
ちなみにそこまでアウトドア派ではなかったそうで、野宿のノウハウは遍路旅の先陣たちにアドバイスしてもらい進めたそう。
テントの上にすげ笠を置いておくだけでお遍路さんの目印になり、野宿をしていても怪しまれないという話は「確かに!」と頷いた。
「過酷ではありますが、なんとかなりました。また、状況を察してか、たくさんの人が話しかけてくれたり、気にかけてくれたりして、その感動が財産になりました。あと、これは個人的な感想なのですが、人として生まれ変われたような気がしています。それまでの自分はどちらかというと逃避的な考え方だったのですが、無心で困難に立ち向かい、大きな目標を成し遂げられたことで、自分に自信がつきました。そしてなんといっても結願後の満足感ですよね(笑)」。
これには同じく四国遍路に魅了された田中さんもにっこり。
数々の伝説や偉業を知り、空海の存在をより身近なものにする『四国遍路別格二十霊場空海伝説の地を旅する』
かたや田中さんの手掛けた『四国遍路別格二十霊場空海伝説の地を旅する』は、空海が開いたとされる四国八十八ヶ所霊場とは別の番外霊場のお話。
弘法大師・空海ゆかりの地としては四国八十八ヶ所霊場が有名だが、四国にはそのほかにもたくさんのゆかりの地があり人々に信仰されてきた。
その番外霊場のうち20の寺が集まって、1968年に創設されたのが四国別格二十霊場で、徳島に6札所、高知に1札所、愛媛に9札所、香川に4札所があり、四国霊場の88と別格霊場の20を合わせると108。人間の煩悩と同じ数になり、両霊場をすべて参拝すると「煩悩を取り除く」とされているそう。
ただ、遍路道の整備が進んでいる四国八十八ヶ所霊場と違い、四国別格二十霊場は参拝が困難な場所にお寺があるところもあり、そういった理由からこれまで大きく取り上げられることが少なかった。
お遍路本は数あれど、別格霊場について取り上げている本は少なく、「この一冊が「四国別格二十霊場」を知ってもらうための足掛かりになれば」と田中さん。
元々空海誕生1250年「特別御朱印」のイラストを制作してほしいという依頼が田中さんにあり、その際に徹底取材した内容がこの本にまとめられている。
四国別格二十霊場についてはもちろん、お遍路用品や用語の紹介、仏像の種類や位、参拝や読経の順序、さらにはこの本のキーとなる弘法大師・空海のことなど、参拝がより充実する知識が学べるようになっている。
そして、一番の見どころは寺ごとの空海伝説。
空海をスーパーヒーローとして信仰している田中さんだからこそ実現できた企画で、「境内にある銀杏の木の前で民に説法をおこなった」「硬い岩肌に向かい筆を持って祈ると水が出た」など、徳島に住んでいても知らなかったコアな逸話ばかりだ。
「四国別格二十霊場には空海の伝説が今も色濃く残っています。巡礼を通じてその足跡を身近に感じることができるので、私のようなファンにはたまりません。特に印象の残っているのは愛媛県大洲市にある「第八番十夜ケ橋」。四国遍路には橋の上では杖をついてはいけないという教えがあるのですが、その由来となった十夜ケ橋(とよがばし)があります。この橋の下で空海が野宿をしたという伝説が残っていて、迷える私たちを救おうと考えながら束の間の安眠つく空海を杖のコツコツという音で起こしていけないというところからきているそうです。また、そのなエピソードに想いをはせ橋の下を覗くと、そこには空海の石像が横たわっていて幾重にも布団がかけられているんです。この布団は願いごとのある人や願ごとが叶った人たちがかけていくものなのですが、そういった文化が現在も残っていることにうっとりしてしまいます。この本にはこういったエピソードがたくさん紹介されていますので、ぜひ空海を身近に感じてみてください」。
ちなみにこの本にかける田中さんの熱量はすさまじく、寺ごとの境内図や御詠歌(一般の信者が寺院や霊場巡礼の際に唱える歌)までも取り上げており、四国別格二十霊場から「公式パンフレットよりもわかりやすいかも」とお墨付きをいただいているそうだ。
この2冊は『平惣』ほか全国の書店、インターネット書店で購入可能! 「あわわのアプリ」ユーザー限定サイン本のプレゼントも
イベント後半は参加者からの質問に応対したほか、サイン会も行われお遍路ファンと交流を深めた
『四国遍路別格二十霊場空海伝説の地を旅する』『僕の歩き遍路 四国八十八ヶ所巡り』の2冊は、『平惣』ほか全国の書店、インターネット書店で購入可能。
四国八十八ヶ所、別格二十霊場
これからお遍路旅を計画している人は、バイブルやガイドの一冊に加えてみてはどうだろう?
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