2023/05/01 11:42
髙木晴香
たかが便秘とあなどるなかれ!便秘の診療は適切に
年々高まる健康・美容意識に合わせて、腸内環境を整える“腸活”に注目している人が増えています。
その大敵になるのが便秘。たかが便秘とあなどるなかれ、実は全身にさまざまなトラブルを引き起こす原因になるのです。便秘診療をしている『美馬内科クリニック』美馬先生にお聞きした、便秘の解消法などをご紹介します。
お話を聞いたのはこの方
美馬内科クリニック
美馬 伸章先生
●日本消化器病学会専門医●日本消化器内視鏡学会専門医
便秘とは?
女性の死因第一位は大腸がんと言われています。その大腸がんの要因となることが多いのが便秘です。アンケートを取ると実に6割ほどの人が便秘で悩んでいる、あるいはその経験があるほどポピュラーな疾患です。ただ便秘と聞くと「大した疾患ではない」「体質だ」と思われるかもしれません。しかし、アメリカの研究では便秘の人はそうでない人より10%以上生存率が低いというデータが出ています。また、便秘の人はトイレでいきむことが多く、その際に血圧が30〜40以上あがるため心血管系の疾患循環器系のトラブルを引き起こすことがあります。
腸管は“第二の脳”
脳からの司令を受けず、独自の動き方ができる腸管は〝第二の脳〞とも呼ばれます。腸管には脳についで細かな神経細胞が張り巡らされていて、その健康状態は全身に影響を及ぼすほどなのです。また、腸管には体全体のおよそ6割もの免疫細胞が存在しており、全身の免疫システムが保てるかどうかは腸管にかかっているほど大事な組織でもあるんです。腸管に生息している細菌[腸内フローラ]が適正に保てていると、腸内で95%が作成されている幸せホルモン[セロトニン]が分泌され、アトピーの改善にもつながるなど心身ともに健やかに過ごせます。逆に腸内フローラが整っていないとストレスがたまり、うつ病を引き起こすことにもなりかねないのです。
便秘の診療は適切に!
適切な治療を受けずに、市販薬に頼っていると慢性化してしまう恐れがあります。検査をして適切な治療を行うことが大切です。当院では症状・体質・ライフスタイルに合わせた薬剤の処方や生活習慣の見直しとアドバイスを行って便秘を解消し、再発を予防するための専門的な診療を行っています。特に効果があるのは、管理栄養士による食事指導。食事の調査票をもとに、便秘解消のための食材や食べ方などを1対1でレクチャーしています。看護師が腸にいい体操やマッサージをお教えするなどトータルで便秘改善に取りくんでいます。また主要な腸内細菌の割合を調べる腸内フローラ検査を実施。その結果から腸内フローラを整えるよう指導しています。
腸活にかかせない腸内フローラって?
人の腸内にすみつく細菌の種類は1,000種類以上、数にすると100兆個にもなるのだそう。腸内細菌は種類ごとにテリトリーを保ってすんでおり、全体として集団を形成。この集団を「腸内フローラ」と呼ぶ。腸内フローラは人体に良い影響をもたらす有用菌(善玉菌)、悪い影響をもたらす有害菌(悪玉菌)、どちらにも属さない日和見[ひよりみ]菌と大き3つのタイプに分けられる。有用菌(善玉菌)の働きで有害菌(悪玉菌)の増殖が抑えられていれば、腸内フローラは良い状態といえる。
女性医師による便秘診療も!
「便秘」というと女性は足を運びにくいかもしれませんが、火曜10:00〜12:00は女性医師による便秘診療を行っています。
▲管理栄養士が、資料やサンプルを見せながら食事指導。
▲同院オリジナルの腸マッサージもレクチャー。
美馬内科クリニック
- 住所/徳島県 徳島市大原町千代ケ丸 127-1
- 電話/088-677-5171
- 営業時間/ 9:00~12:00、15:00~18:00
備考/※午前受付は~11:00
- 定休日/水、日、祝日
- 駐車場/あり