2023/07/22 10:00
まっつん
【2023年7月オープン/セレクトショップ hubawa(ウブワ)(徳島市東船場町)】徳島の職人の仕事を広め、新たな価値もともに創造
雑誌・TV・広告・カタログ・宣材写真・アーティスト写真をはじめ、ブランドとのコラボレーションや国内外のホテルの撮影を手掛けるなど写真家として活躍している大杉隼平さんが、仲間たちと徳島市東船場町にセレクトショップをOPENさせた。
こちらに並ぶのは、撮影を通して出会った徳島の職人たちと考えた、職人の技を未来へつなぐための新たな価値を持った作品たち。
道具や食器など、ここでしか手に入らいないものも多く、思わず見惚れてしまう。
新しい価値を生み出せれば、光輝ける場所はきっとある!
大杉さんと一緒に立ち上げに携わったのが、牟岐町でサーフボード製造と狩猟を行っている家形さんと徳島出身で関東で靴職人として活躍している五宝さん。
大杉さんが家形さんを取材した際、「ハントしたシカの皮を活用しきれておらず、せっかく命をいただいているのにもったいない」という話を聞いたのがはじまりだった。
大杉さんと家形さんの交流は取材後も続き、「実際に皮をなめして(やわらかくして)みて、プロの革職人に商品として成立するかみてもらいませんか?」と提案。
以前から親交のあった五宝さんへとつなぎ、革靴の原料として申し分なく・むしろ足馴染みのよい素晴らしい靴ができそうと証明してもらった。
「同じようにポテンシャルを秘めた素材が、徳島にもまだまだあるのではないか?」「まったく新しい価値を見出せれば、職人の技術が日の目を見る機会も増えるのではないか?」
3人で意気投合して話し合い、今年の2月から実際に動き出して、クラウドファウンディングで応援してくれた人たちの支援もあって、わずか半年足らずで夢を実現することに成功した。
「全国でもここにしかない」で勝負する
『hubawa』で取り扱っている商品は、仕入れたものではなく、職人たちと一緒に考えたもの、もしくは職人と職人を、生産者と職人をつないで生み出されたオリジナルアイテムがほとんどだ。
大量生産・大量消費が当たり前になっている昨今、モノづくりが一つの街で完結することはなくなり、舞台の中心も海外に移ってしまいがち。
ただそんな現代でも昔ながらのモノづくりの火はすべて消えておらず、職人がこだわりを持って大切に守り続けている。
そのことを未来に伝えるには、既存の商品を出し続けるだけでないけない。
モノに新しい価値を与え、たくさんの人たちの目に触れる機会を作り、量や安さよりも質やストーリーを求める人たちの分母を広げる必要がある。
その役割を担う拠点が『hubawa』だ。
ショーウインドウ前に並んでいるのは家形さんのハントしたシカ皮を素材に、五宝さんが一足一足丁寧に仕上げた革靴。写真手前の黒い靴には、シカ革だけでなく阿波和紙も使われているそう。
写真は珍しい大谷焼のプレート。窯のある鳴門市の土を使って焼き上げるが、今回は牟岐の土を混ぜた土を使って焼き上げた。野生の猪やシカが体についた虫を落とすため集まるヌタ場の泥土を使い、山で拾った石などで動物の足跡を模した模様をつけたものまである。
家具や建築内装材などの材料として幅広く使用されるツキ板(紙のように薄くスライスした木)によるデザインの美しさを、より日常に落とし込むべく生まれた日用品たち。
写真の時計は光の角度によって色が違ってみえる木の特徴を活かしている。
ツキ板を削り出した時に出る「ツキジリ」を使ったウッドプレートも風合い豊か。
店内には大杉さんが撮影した職人たちの仕事風景の写真が紹介文とともに飾られている。
取材を通して親交を深め、皆モノづくりの技術や良さを未来に伝えたいと願う同志。実際に顔を合わせて話しをして商品開発を行っている。
店内に並んでいる商品は新たに作品が誕生次第入れ替えを行っていく予定。
ストーリーとともにECサイトで紹介、購入することもできる。
JR徳島駅からも歩いていけるほどの距離にあり、徳島県民はもちろん県外からの観光客の来店も見込んでいる。
徳島の職人と県外の職人をつなげて新しい価値を生み出したり、誕生した商品とゆかりのある食料品をセットで売り出したりするプロジェクトなども検討するなど、今後ますます目が離せない!
消費者の価値観を変えるような、新しいモノづくりへの挑戦がはじまる。
セレクトショップ hubawa(ウブワ)
- 住所/ 徳島市東船場町 1-18(船場ビル)
- 電話/088-678-8538
- 営業時間/11:00~18:00
- 定休日/火、水
- 駐車場/なし(周辺のコインパーキング利用)