2023/08/26 18:00
あわわ編集部
【徳島ヴォルティス】吉田新監督の初陣! 連勝をかけて VS ツエーゲン金沢
第31節『レノファ山口』を2-0で退けた『徳島ヴォルティス』は、11試合ぶりに勝ち点3を手にして順位を上げることに成功した。
しかし、そんななか飛び込んできたのがラバイン監督退任のニュースだ。
スペイン1部リーグ『レアル・ソシエダ』の分析チームの責任者が、徳島の指揮官に就任するという衝撃から9カ月。
慣れない環境に、はじめての選手たち。
難しい状況化のなか、徐々に戦術が浸透して積み上げてきたものを披露できつつあったが、勝利という結果が常に求められる厳しい世界。
J2残留というミッションを達成すべく、残り11試合で新監督を迎えるという大きな選択を選んだ。
果たしてこれからどのような結果が待っているのか、ついにリーグ戦は佳境を迎える。
前回の金沢との対戦
前回の金沢との対戦は第16節、徳島のホーム初勝利を目指して戦った。
試合序盤、チャンスを多くつかんだのはアウェイチーム。
ツートップが中央だけではなく両サイドに流れてうまくボールを引き出し、そこから決定機やセットプレーの獲得につなげた。
徳島は森、石尾、安部の3バックを中心に粘り強く耐えて、カウンターの機会を伺う。
すると徐々にボールが持てる時間も増えてきて、前半40分にMF児玉のスペースを突くパスにFW森 海渡がいち早くスプリントを開始し、左サイドをドリブル突破。
ゴール斜め前で一旦ためながら豪快にストライカーらしいフィニッシュ。
この日のFM森 海渡は止まらない。
エンドがかわった後半20分、2人にチェックを受けながらもMF西谷が左サイドを突破し強引にシュート。一度はGKに防がれるもリフレクションしたボールを的確に流し込み、頼れるエースストライカー本日2得点目を決める。
試合終盤は勝ち点を持ち帰るために強度を上げた金沢の猛攻に手を焼くことになったが、要所はしっかりとおさえ、駆け付けたサポーターに嬉しいホーム初勝利を届けた。
甲府を天皇杯優勝に導いた吉田達磨氏が新監督に就任
徳島がJ2残留のミッションを託したのは吉田達磨氏。
徳島が日本人監督を迎えるのは、暫定監督を除けば2016シーズンの長島裕明氏以来7年ぶりになる。
吉田新監督は現在49歳。現役時代は『柏レイソル』『京都パープルサンガ(現京都サンガF.C.)』『モンテディオ山形』でプレー。引退後は柏の下部組織のコーチを経て、Jチームの監督やシンガポール代表の監督などを歴任。
昨シーズンは『ヴァンフォーレ甲府』の指揮官に2度目の就任。リーグ戦こそ下位に低迷してしまったが、天皇杯では『北海道コンサドーレ札幌』『サガン鳥栖』『アビスパ福岡』『鹿島アントラーズ』とJ1勢を次々と退け、決勝では『サンフレッチェ広島』との死闘の末クラブ初の3大タイトル優勝に導いた。
先日行われた記者会見では、「またJ1にチャレンジする機会を得られるようなシーズンの終わりにしたい」とJ2残留を目指して戦い抜く姿勢を強調。
金沢戦に向けては「準備期間はほとんど残されていないが選手を一つにまとめ、支配されないような組織をつくっていきます。戦えるコンディションをつくり、ボールとともに前へ。11人で相手ゴール前に迫ります」とコメント。
吉田監督が率いた過去のチームの傾向をみると、ボールを保持して主導権を握る攻撃的なスタイル。
これまで徳島が積み上げてきたものと通ずる部分がある。
特にその色がでていたのが昨年の天皇杯。
守備時はハードワーク、ボール奪取後はシンプルに縦につけられる時は縦に速攻。ボールを保持できる時はボールを保持。
プレーに中途半端な部分がなく、攻守のメリハリが効いて上位チームと対等、それ以上に渡り合えた。
ボールホルダーの選手が動いたら、それに合わせてまわりの選手も裏を狙ったり、DFの選手を動かすためのスプリントをしかけたり。
積極的なトライは、下位に低迷するチームにとってまさに求められる要素。
今節の金沢戦でも勝利し、残留争いから一気に脱したい。