2023/10/03 13:00
がんも
【小亀たく・絵本原画展/11月12日(日)トークイベント開催】かわいい小鳥の世界を描く徳島出身の絵本作家に注目
2023年11月3日(金)~12日(日)、徳島県出身の絵本作家・小亀たくさんの絵本原画展が『TSUTAYA田宮店』で開催される。
県外で開催された原画展での様子
2022年7月に出版されたデビュー作「じーさんとぴーぽっぽ」と2023年5月に出版された「きいろとしろ」の2作品の原画を10日あまり展示。期間中、オリジナルクリアファイル(2種)とポストカード(12種)の販売も実施される。最終日となる12日(日)には、絵本セラピストによるおはなし会と作者本人によるトークイベントも実施される。
【小亀たく×絵本セラピスト】絵本おはなし会&著者トークイベント
●第1部13:00~14:30
●第2部16:00~17:30
※第1部と第2部の間に、絵本づくりのワークショップを開催。
開催日時/11月3日(金)~12日(日)9:30~23:00
※絵本おはなし会&トークイベントは12日(日)のみ
所/徳島市南田宮2-2-46(TSUTAYA田宮店)
問/088-632-4151
小亀たくさんが描く小鳥の世界。絵本「じーさんとぴーぽっぽ」と「きいろとしろ」
絵本作家/グラフィックデザイナー
1963年徳島市生まれ。高校を卒業し、美大進学を機に上京。卒業後はグラフィックデザイン事務所勤務を経て、家電メーカーの広告企画制作に携わる。2021年に退職し、フリーランスに。『じーさんとぴーぽっぽ』が「第8回絵本出版賞最優秀賞」を受賞し、絵本作家デビューを果たす。また、地球環境の問題やSDGsへの意識を向上させるためのデザイン、プロジェクトを推進するなど活躍の幅を広げている。
小亀さんの絵本で描かれるのは、かわいらしい小鳥の世界と命の大切さ。
出版社/みらいパブリッシング
2022年7月に発行されたデビュー作「じーさんとぴーぽっぽ」は、小亀さんの義父と、義父が飼っていた桜文鳥・ぴーぽっぽの実話をもとにした作品。義父が亡くなり、葬儀の翌日にぴーぽっぽも後を追うように天国へ。その不思議な出来事を記した絵本は、「第8回絵本出版賞」の大人向け絵本部門で最優秀賞を受賞。じーさんとぴーぽっぽの心温まる絆と命の大切さを描いた同絵本は、全国学校図書館協議会選定図書に選定された。
出版社/みらいパブリッシング
2023年5月に発行された2作目「きいろとしろ」は、デビュー作のアナザーストーリー。1作目に登場する桜文鳥のぴーぽっぽと、小亀さん自身が飼うセキセイインコの「きいろ」と白文鳥の「しろ」との出会いと別れを描いた作品だ。ストーリーは「きいろ」視点で描かれており、小鳥の約10年問という短い寿命の中で、出会いによって知る新たな世界や、いつも身近にある幸せとそれを失うことの切なさが表現されている。
手がけた2作品に登場するのは、かわいらしい小鳥たち。アクリル絵の具で鮮やかに、優しいタッチで描かれるイラストが印象的で、全国の小鳥ファンから注目を浴びている。
また「命の尊さ」を綴る、あたたかくも切ないストーリーは子どもから大人まで魅了し、いつの時代も人々に寄り添う愛される絵本になりそうだ。
絵本作家への道のりと、作品づくりへの思い
57歳まで大手家電メーカーで広告制作に携わっていた小亀さん。広告業界は、フレッシュな若手のアイデアが光る場所だと感じ、早期退職を決めたそう。美大生時代に専攻したイラスト制作の楽しさを40年後に思い出し、再び筆を手にとりさまざまな絵を描いたという。
「義父とぴーぽっぽの不思議な出来事を、なにかの形に残したいと考えました。はじめは偲ぶように義父の似顔絵や生活風景を絵に描いたり、義父とともに生きたぴーぽっぽの絵を描いたり…それに文章をつけたりするうちに、家族から“絵本にしてみたら?”と言われて。2週間ほどで一気に描き上げました。」と小亀さんは記憶を辿る。
義父の身の回りにあったものを描き、作品に溶け込ませた。
義父とともに生きたぴーぽっぽの姿をイラストに。
当初、家族だけの絵本だった作品だったが、「たくさんの人にみてもらいたい」という意識に変わり、導かれるように出版を志すように。いくつかの絵本コンテストに応募し、「第8回絵本出版賞」の大人向け絵本部門で最優秀賞の受賞を果たした。
絵本作家として一から手掛けた2作目「きいろとしろ」では、“いつもそばにある幸せ”を小鳥どうしの世界で描いた。半年かけた制作は悩みながらだったが、いつも楽しさを忘れることはなかったという。
「会社員の頃とは、出会う人々がまったく変わりました。読んだ人が感想を伝えてくれたり、5歳の女の子から“これからもいろいろな本をつくって”と手紙が届いたり。出版にはそういう責任があるんだと実感し、絵本作家としてステップを踏んでいくことにおもしろさを感じています。」と小亀さん。
高校卒業までは徳島県で過ごしたという小亀さん。眉山や吉野川といった徳島の自然の美しさは、今でも心に刻まれているそう。また、幼少期に暮らした団地の風景を作品に溶け込ませるなど、“リアリティのある人々の生活感”を故郷・徳島の記憶から表現させたという。
徳島出身・小亀さんの人生に寄り添ってくれる絵本…これからの作品にも注目していきたい。
絵本原画展で、手書きイラストのあたたかさに触れよう
11月3日(金)~12日(金)に『TSUTAYA田宮店』で開催される「小亀たく絵本原画展」では、出版された「じーさんとぴーぽっぽ」「きいろとしろ」の2作品の原画を間近で見ることができる。
県外で開催された原画展での様子
最終日には、絵本セラピストによるおはなし会と、著者である小亀さんとのトークイベントも開催される。作品への思いや、故郷・徳島での思い出を聞くことができるかも!
この機会に、小鳥ファンはもちろん、地元出身の著者が手掛けたかわいらしいイラストと心に響くストーリーの絵本にぜひ触れてみよう。
原画展開催期間中、2作品のオリジナルクリアファイル(2種)とポストカード(12種)の販売も実施!