2023/11/09 09:00
しばやん
【子育て・発達】子どもの発達・成長が気になる!療育施設を利用中のご家族に経験談を聞きました
取材/2023年10月
我が子の発達に気になることがあったとき、速やかに適切な支援を行うことで、個性を活かしながらその子らしく成長することができます。発達支援施設は得意を伸ばし、苦手を「できる」に変えるサポートをしてくれる場所。気になることがあれば早めに専門機関に相談し、必要と感じたら発達支援施設の利用手続きを行いましょう。
通所支援(療育)を利用しているご家族にお話を聞きました
実際に通所支援を利用中の3組のご家族にお話を聞きました。発達支援施設の中にもさまざまな形態の施設があり、Sさんは親子一緒に通う個別療育の教室、Oさんは生活の基礎を身につける預かり型の集団療育、Nさんは少人数のグループで活動する小集団療育を利用しています。
通所のきっかけ
「長男は生まれたときに無呼吸になり、NICU・GCUに入院しました。退院してから予後は良好でしたが、4カ月健診のときに首がまだすわっておらず、抱っこのしづらさなどもあり、生後7カ月ごろからリハビリに通うようになりました。1歳半健診で言葉の遅れがあったことから2歳前には個別療育をスタートしました。
長女も言葉の遅れが気になったのと育てにくさを感じる部分があり、この春から長男と同じ通所施設を利用することになりました。」
「最初はこちらの呼びかけに反応しないといった違和感が少しあったのと、2歳になる前に文字を読みはじめるなど、他の子と少し違うのかなと感じていました。2歳児クラスから保育園に通っていますが、園の先生から「注意散漫で話が聞けない」といった話があり、療育が必要かもしれないと思い、市役所に相談に行きました。」
療育に通いはじめるまでのこと
「同じ年で話せないお友だちもいたのでパパからはちょっと大げさじゃない?という反応でした。本人はとても楽しそうに通っていて、60分くらいなのですがいつもあっという間に終わると感じるくらい親子で楽しい時間になっています。通い始めは月に1回、年長以降は月に2回通っています。」
「家族に療育経験があったので、早期療育の重要性を実感していて、子どもたちにもできるだけ早く必要な支援を受けさせてあげたいと思っていました。長男は集団療育に空きが出るまで同じ施設の個別療育に通い、長女はたまたま空きがあったため希望してすぐに集団療育に通うことができました。」
「受給者証発行のための面談が終わり、通所支援事業所もスムーズに決まったのですが、療育計画を作ってもらうための相談支援事業所が見つからず、何カ所も電話をかけました。たまたま育休中だったため、市役所に書類を出しに行ったり、事業所に連絡したりといった時間が取れましたが、仕事をしていると手続きを進めるのはとても大変だと感じました。」
通う施設はどのように決めましたか?
「ことばの教室に行くか、耳鼻科でやっている発音のトレーニングに通うかという選択肢がありましたが、相談のときにお会いした方の教室にそのまま通うことになりました。言語聴覚士のほかにも理学療法士や作業療法士など、いろんな専門家の方がいて、さまざまな相談にのってくれるので、手厚いサポートに感謝しています。また共働きのためいつも土曜日にお願いしていて、担当の先生とメールで気軽にスケジュールのやり取りができるのもありがたいです。」
「自宅の近くから順番にさまざまな施設を見学しました。集団、個別、母子通園などさまざまな通所方法がありますが、他の子とのふれあいを大事にしたいと思い、集団療育の施設を選びました。今通っているところは自宅から近くはありませんが、元々リハビリでお世話になっていたこともあり、個別療育に通いながら集団療育の空きを1年ほど待ちました。」
「最初に見学した施設の方がとても丁寧に子どもの様子を見てくれて、「いいところをどんどん伸ばしていきましょう!」と苦手をフォローするだけでなく、得意なことを伸ばしていけるようにお話してくれました。自分が望んでいたことでもあり、子どもにとってもいい環境だと思いお願いすることに決めました。」
通所施設ではどんなことをしていますか?
「イラストカードを見て声を出しながら気になる音をチェックして、舌や口まわりの筋肉のトレーニングをしています。必要な訓練でも子どもが嫌がることはすぐにやめてくれたり、好きなアニメのイラストを用意してくれたり、最後はみんなでゲームをしておしまいにしたりと遊びを取り入れながらのトレーニングなので、親子で楽しみに通っています。また宿題としてお家のお風呂でできるトレーニング方法も教えてくれて、家でも実践しています。」
「幼稚園や保育園のような感じで、週3日通所して半日ほどを過ごしています。同世代の子どもたちと一緒に普段の生活の中で遊びを通して関わり方などを楽しく学んでいます。」
「3~5人の子どもたちの中でルールを守って遊んだり、手先の使い方の練習をするなど、その月の課題があってそれに沿ってサポートしてくれています。施設が保育園までお迎えに来てくれて、週1回午前中の60分を施設で過ごし、また保育園まで送り届けてくれるので、仕事と両立がしやすくありがたいです。その日の様子や内容はアプリでとても丁寧に共有してくれているので安心しておまかせしています。」
通い出してから子どもや家族にどのような変化がありましたか?
「苦手だった「か行」がしっかり発音できるようになり、本人もとても喜んでいます。今年の9月に卒業する予定でしたが、小学校の先生から音読で音が抜けるときがあるといわれて、それを改善するために年末まで通うことになりました。楽しく通っていた分卒業は寂しくもあります。」
「療育にネガティブな反応だった祖母が、子どもの言葉の様子や走っている姿など、できることが増えた姿を見て療育への見方が変わってきました。親としても以前は子育てに孤独感があり、精神的にも負担に感じることがありましたが、子どもと離れる時間ができたことで成長としっかり向き合えるようになりました。相談できる場所があると思えることも安心につながっています。」
「まだ具体的な変化はわかりませんが、信頼できる施設の先生方に見てもらえている安心感があります。保育園からの送迎になるので先生たちと直接会う機会は少ないですが、毎回とても丁寧な活動報告をいただき、会ったときにはかなり親身になってお話してくれて、全幅の信頼を寄せています。」
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