2024/03/21 11:00
さあや
【2024年2月オープン /PRISM LAB(プリズムラボ・徳島市万代町)】洋菓子の世界大会で優勝した柴田シェフのラボが万代中央ふ頭に
パティシエ・コンクールの最高峰“クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー 2023”で日本は16年ぶりに優勝。「気候変動」のテーマに沿って世界を驚かせる功績を残した。
その代表チームの一員として活躍した柴田勇作シェフは徳島にいる。そして徳島市の万代ふ頭にラボをコンセプトとしたパティスリー『PRISM LAB(プリズムラボ)』を構えた。
“意味のあるお菓子作り”を徳島で
©PRISM
「どうして徳島なのか」。素直に浮かび上がる疑問だが、柴田シェフは2年ほど前、国際大会の作品の素材を探す中で[木頭ゆず]の素晴らしさや徳島の風土に魅了され移住していたのだ。
「これからはどこでやるかがすごく大事。4年前、徳島駅に降り立った時、ひとつの街の中に山・川・海・広大な空がそろっていることに驚きました。こんな街を見たことがなかったし、まっさらなノートをもらったみたいな感覚ですごくわくわくしました。そこからぐっと“東京じゃないんだな”という思いが大きくなって、徳島で地域のためにできることはないかと考えるようになりました」。
何かおもしろいことはできないか―。漠然と考えていた柴田シェフだが“ラボ”という構想ができたきっかけは世界大会だったという。
「世界大会が終わった夜、日本代表メンバーと“これは大変なことになった。私たちはこれから日本の代表としてもっと勉強しないといけない責任がある”という会話をしました。そこで行き着いたのがラボ。“お菓子を探求するキッチンがほしい”という思いが強くなりスイーツの研究所を作りました。そしてPRISMのメンバーがスイーツについて研究する姿を徳島の人に見てもらうのが意義があると思いました」。
「ラボの名前“PRISM(プリズム)”にはキラキラ変わっていくという意味合いがあります。メンバーを通して新たな色に変わっていくという創作チームにしたい、その拠点がここのラボであり、これがいずれ“PRISM ASIA”や“PRISM PARI”になっていくかもしれない。新たに生まれた創作が僕たちらしければいい。その1つ目の拠点をここ徳島に作りました」と熱く語った。
集まったメンバーは全員県外からの移住者。この地を見ていいお菓子を作っていこうと集まったメンバーだ。柴田シェフはこのラボを通して徳島へのIターン、Uターンも促していきたいとのこと。
「意味のあるお菓子作りがしたい」。何度もこの言葉を繰り返していた。
誰でも気軽に見学できるパティスリー
©PRISM
このラボは地域に開かれた場所である。誰でも自由に出入りし、スイーツの購入はもちろん気軽に見学もできる。壁は極力取り払い、広がりのある空間にデザインされている。
細部までこだわったキッチンは世界大会と同じ寸法、同じ機械が並べられている。
「これから世界へ羽ばたくシェフが練習をしに徳島に集まる機会があるかもしれない。世界各地からこのラボに人が集まって地域活性化にもつながればと思っています。お店が休みの日には特別に子どもたち向けのスイーツ体験なども計画できればうれしいなと思っています」。
製造マシンがカタカタと鳴る音は工房らしさが際立つ。
©PRISM
店頭では、カヌレ[Cannelé idéal](2,300円)や[ガトーショコラ フランボワーズ](3,300円)、焼き菓子[PRISM Bake Selection 16](6,900円)など繊細に作り込まれたオリジナルスイーツを購入できる。そのほか公式オンラインショップでも販売。
『PRISM LAB』のスイーツを堪能できるイートイン[CHEF’S TABLE(シェフズ ターブル)]を3月末に期間限定で実施予定。
夢が詰まった『PRISM LAB』。この場所を起点に徳島にいい風が吹く、そう感じさせられた取材だった。
PRISM LAB
- 住所/ 徳島市万代町5-71-6
- 電話/-
- 営業時間/11:00~17:00
- 定休日/HPで告知
- 駐車場/3台