2024/04/08 10:00
がんも
4月18日(木)発売!【あいいろねずみのジャン・ケン・ポン】作・くすのきしげのりさん、絵・江口ノリコさんにインタビュー
いよいよ4月18日(木)発売※となる絵本「あいいろねずみのジャン・ケン・ポン」
※全国の書店にて順次発売
徳島では、古くから藍染めが盛んに行われていました。 今もその藍染めの伝統を受け継ぐ工房に子ねずみの兄弟、まじめなジャンと、元気なケン、そしてゆかいなポンがいます。 ジャン・ケン・ポンは楽しいことが大好きです。 仲良しのアイコや、いらずら猫のスクモとのにぎやかな毎日。 ある夜ジャン・ケン・ポンは、工房にくるお客さんたちを真似て、 自分たちも藍で布を染めてみようとします。 ところが、ポンのしっぽが藍染めの駅につかって青く染まってしまいました。 たいへん! ですが、ジャン・ケン・ポンはいいことを思いつきます。 「これって、ぼくたちの体も染められるってことだよね!」 そして…
児童文学のトップランナー・くすのきしげのりが世界に届ける郷里・徳島の物語。新進気鋭の絵本作家・江口ノリコのまだ誰も見たことがない繊細な貼り絵の世界。
発売/主婦の友社
1,650円
■絵本の見どころは?作家の2人にインタビュー
作者のくすのきしげのりさんと作画を担当した貼り絵作家の江口ノリコさんにお話をうかがった。
くすのきしげのり さん
●プロフィール●
1961年徳島県生まれ鳴門市在住。児童文学作家。絵本「おこだでませんように」(小学館)が2009年に全国青少年読書感想文コンクール課題図書となる。また、「ふくびき」(小学館)、「ともだちやもんな、ぼくら」(えほんの杜)が共に第3回ようちえん絵本大賞を受賞する。「メロディ」(ヤマハミュージックエンタテイメントホールディングス)、「ええところ」(Gakken)など多くの教科書掲載作品をはじめ「Life(ライフ)」(瑞雲舎)、「ぼくはなきました」(東洋館出版社)等200作品を超える著作は海外でも広く読まれている。
江口ノリコ さん
●プロフィール●
1986年東京都杉並区生まれ。独学で貼り絵をはじめた。緻密かつ繊細で、メルヘンな作風が持ち味。
・「しかけえほん ブーブーとあそぼ!」交通新聞社、2022年5月
・「さんすうえほん ワニのたまごやさん」(作:有田奈央)新日本出版社、2022年6月
・「おやすみしかけ絵本 とんとんとん」(パイ・インターナショナル、2023年9月)
初めてのストーリー絵本となる本作では、藍染めの和紙・洋紙を用いて、独特な作品世界を表現した。
世界中の人が「藍染め」に楽しく触れることができる絵本に
-絵本を読んで、率直に藍染めへの興味が沸いて「体験したい!」という気持ちになりました。
くすのきさん
そうでしょう?
私は県外の友人を招くと、藍住町にある『藍の館』に連れて行って藍染め体験をしてもらうんです。徳島の魅力として、ぜひ紹介したいもののひとつなんです。
今回「藍染め」をテーマに掲げ、大人から子どもまでみんなに「藍染めをやってみたい」と思ってもらえる絵本にしたいと思いました。藍染めについての図解やパンフレットはあるけれど、より分かりやすく、楽しく紹介している作品にしたかった。
また、海外の方にも読んでもらえるように外国語版の出版も視野に入れ、世界中に愛される作品に育てていきたいと考えています。
藍染めの工房を舞台にした絵本なので、制作にあたり県内各所の藍染め工房を訪問し、見学や取材を行った。
くすのきさん
藍染めの作業工程や工房内の作業道具、体験する人々の表情までも、現場の様子を忠実に表現する必要がありましたので、しっかりとチェックし工房の方々にも確認してもらいながら制作を進めました。
幻想的で奥深い貼り絵×藍染めの世界
-絵本編集部の白井が、江口さんの作品を見て、細かな部分の表現やあたたかな作風に一目ぼれしたと聞きました。貼り絵作家・江口ノリコさんを作画担当に起用した理由は?
くすのきさん
ストーリーが進むなかで、キャラクターの様々な気持ちを貼り絵の作画で表すことできるのかな…と最初は心配していましたが、江口さんの見事な表現力でキャラクターの心情をよくとらえることができる作品に仕上がりました。
-数々の貼り絵作品を手掛け、絵本作家としても活躍の幅を広げている江口さん。「貼り絵」の魅力とは?
江口さん
最近はデジタルでイラストを描く人が多いと思うんですが、私は実物の素材を触ったり動かしながら作ることが好きなんです。
消しゴムハンコで無地の紙に模様をつける。作品の世界に合わせ切ったりちぎったりしながら貼っていくそう。
-今までは、赤ちゃん向けの絵本を中心に作ってきたそうですね。今回、伝統工芸×ストーリーものという大作を手掛けられましたが、率直な感想を聞かせてください。
江口さん
私は出身も住まいも東京都で、今回お話をいただいてはじめて、四国・徳島の藍染めに触れました。
制作のために工房を見学させていただいて職人さんのお話を聞き、みなさんの藍染めに対する情熱に同じクリエイターとして感銘を受けて。職人さんを尊重したい、藍染について間違った伝え方をしてはいけない、と強く感じ、作品づくりにも一層熱が入りました!
-絵本で登場する藍色の部分には、実際に藍で染めた紙を使っているそうですね。
江口さん
最初は紺色の紙を使っていたんですが、制作段階で職人さんに「藍染めじゃないですよね?」と指摘を受けたと聞き、登場する藍色をすべて藍染の紙へ変更しました。その熱意を受け、絶対に作品に反映させようと貼り直すことに迷いはありませんでした!
今回、作品をつくるにあたり、たくさんの工房の方々に関わっていただきました。肯定的に我々を受け入れ、協力してくださったことに心から感謝しています。
一般的に藍染で用いられるのは和紙だが、今回は洋紙もたくさん使用。工房の職人さんも洋紙を染めるのは初の試みだったそうだが、結果的に素晴らしい色あいに仕上がった。
物語をドキワクさせる、個性的なキャラクターたちと作り上げた世界観
-かわいい3匹のねずみが主人公ですが、「ジャン・ケン・ポン」のネーミングの由来は?
くすのきさん
3匹それぞれの個性を引き立たせながらも親しみが持てるフレーズが良いと思いついた名前です。
-キャラクターの性格にマッチしている名前だと感じます! ライバル的な存在・猫のスクモやヒロインのアイコちゃんも素敵なキャラクターですね。
くすのきさん
子どもたちの心をくすぐるキャラクターの存在はとても大切。
江口さん
私はアイコちゃんを楽しく描きました。鼻をハート型にしてみたり、赤いカバンには何が入っているのかな?と想像してみたり。
-作品のなかで、特に力をいれたことは?
江口さん
まずは舞台となる工房の模型を作って…編集の白井さんと部屋の間取りも考えました。
-そんなところから!?
くすのきさん
場面のシチュエーションや季節設定を緻密に作りこむことで、物語のなかでキャラクターがより生き生きと動いてくれるんです。
絵本編集部の白井のお気に入りはジャン・ケン・ポンの3匹が協力してスクモを驚かせるシーン。「想像をはるかに超えた迫力があり、改めて江口先生の非凡な才能を感じるページになった」という。
-みなさんのお気に入りのシーンを教えてください!
くすのきさん
スクモの“裏の表情”が見えるシーンは、キャラクターが生き生きしていていいね。それから、すだちの木から見える、徳島の風景が広がるシーンは素晴らしい。
江口さん
月明かりに照らされ、スクモが3匹に忍び寄るシーンは悩みながら作りました。今まで貼り絵で陰影を意識することが少なかったので…。助言もいただきながら作り込みました。難しさのなか、新しい発見もあり、とてもいい経験となりました。
くすのきさん
リアルな「藍染」をまっすぐ描くことで、ますますの発展につながるよう願いを込めて作り上げました。藍に関わる人、徳島の人、世界中の人に絵本を読んでもらいたい、そして生み出したこの絵本を大切に育てていきたいと思います。
江口さん
くすのき先生の手掛ける絵本は、子どもの心を健やかに育ててくれる作品ばかりで、今回絵本制作をご一緒でき素晴らしい経験になりました。また、今回の作品には「地元を愛すること」「みんなで協力して成し遂げること」など、子どもに経験してほしい要素がたくさん含まれています。子どもたちのさまざまなきっかけに繋がる作品になってほしいと思います。
絵本の発売は4月18日(木)!
全国の書店にて順次発売予定。
かわいい子ねずみたちと、藍染めの世界を冒険してみて。
■4月20日(土)発売記念イベント開催@BookCity平惣徳島店/14:00~参加無料(要予約)
■3月14日(木)に開催された学童クラブでのワークショップの様子をレポート
絵本の発行を記念して、鳴門市の『板東学童クラブ』にて絵本を手掛けたくすのきしげのりさんと江口ノリコさんによる絵本の紹介と、貼り絵のワークショップが開催されたよ。
子どもたちが絵本のシーンをもとにした台紙を使って貼り絵に挑戦!
個性あふれる作品がいっぱい!
「面白いアイデアや豊かな想像を表現してくれてとてもうれしいです」と江口さん。
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