2024/04/01 14:00
まさっち
【2023年10月スタート/読書犬活動・NPO法人補助犬とくしま(徳島市八万町)】こどもが犬に読み聞かせ、心を育む
子どもが犬に絵本を読み聞かせる、「読書犬活動」の取り組みが、徳島県内で始まっている。
欧米では「R.E.A.D.(Reading Education Assistance Dogs ®)プログラム」として図書館や学校、書店で盛んに行われているそうだ。
音読に苦手意識やコミュニケーションに不安がある子どもたちが、他人の目を気にせず読書に親しんでもらうねらいがある。
初めて会う犬への接し方を学ぶ
県内で読書犬活動を行っているNPO法人『補助犬とくしま』では、読み聞かせの前に、犬とのふれあい教室がある。
子どもたちは、飼い主に了承を得てから、軽くグーにした手を犬の鼻先に出して、匂いをかがせることや、突然犬を触らないなど、初めて会う犬への接し方を学ぶ。
読書犬とペアになって読み聞かせ
いよいよ本番の読み聞かせ。
ペアになった読書犬は、子どもが絵本を声に出して読んでいる間、聞き手になってくれる。
人前での音読や会話が苦手な子どもは、声の出し方や読み間違いを笑われるなどの経験から自信を失っていることも。
読書犬の存在を感じながらリラックスして音読することで、本を読むことが好きになり、読書力アップや自己肯定感を得られるようになるそう。
引退した盲導犬やセラピーを学んだ犬に、読書犬として活躍する機会にもなっている。
読書犬活動は、徳島市の『ペット介護ステーションジュエル』で個人の申込みも受け付けている。予約制で料金は無料だ。
図書館や放課後等デイサービスなどでの読書犬活動
読書犬活動は、徳島県内の図書館や放課後等デイサービスなどにも出向いている。
2023年10月は、徳島市の『徳島県立図書館』で9人の子どもが、2024年2月には、東みよし町昼間の放課後等デイサービス『スカイ』で4人の子どもが犬への読み聞かせを体験した。
テントの中での読み聞かせは、『補助犬とくしま』オリジナルの試み。より他人の目が気にならず、人と犬が一対一になれるそう。
ハンドラー(飼い主)やスタッフは付き添い役に徹し、批評したり、読み間違いを訂正することはない。
5月12日には『阿波市立阿波図書館』で「わんこ読書会」を開催予定だ。
代表の杉井ひとみさんは、1999年から公益財団法人『徳島の盲導犬を育てる会』に勤務し、長年の間、盲導犬の育成に携わってきた。
2019年に徳島県の身体障害者補助犬(盲導犬、介助犬、聴導犬)の育成と普及啓発するNPO法人『補助犬とくしま』と県内初のペット介護施設『ペット介護ステーション ジュエル』を設立し、ますます活躍の幅を広げている。
『補助犬とくしま』では、介助犬、聴導犬のパピーウォーカ一や会員、寄付、ボランティアも受付中だ。
「音読は絶対にしなくてもOK。子どもたちが生きづらさを感じたときに、動物のぬくもりに触れて癒されてほしい」と笑顔で話す。
読書犬とのふれあいを通じて、動物のぬくもりや命の尊さを学び、思いやりの気持ちを育んでみませんか。
NPO法人補助犬とくしま
- 住所/ 徳島市八万町弐丈 53−3
- 電話/090-7574-4053
- 営業時間/ 10:00〜17:00
備考/予約は営業時間外でも受付
- 定休日/無
- 駐車場/7台