【徳島・仕事・あわわまちの人事部通信】建設業界の若手を育成！ 4社合同 新入社員研修開催中

『あわわ』が徳島で働く人たち・これから働こうと思っている学生の皆さんを先導する旗振り役となり、徳島愛や地域連携を育みながら、「採用や人材育成・定着」といった課題解決に取り組むために立ち上げた『まちの人事部』。

プロジェクトも2年目に突入し、新たな連載企画！「まちの人事部通信」がスタート。

こちらの連載では、業界や地域の課題に向き合い・積極的に取り組んでいる団体や企業、地域の事例を紹介する！

今回は『株式会社フジみらい』『佐々木建設株式会社』『喜多機械産業株式会社』『株式会社亀井組』の徳島の建設に関わる企業4社合同で開催中の新人研修プログラムを取材した。

企業間交流により業界を活性化！ 地域同期はともに高みを目指す心強い存在に！

『喜多機械産業株式会社』が管理する機材置き場に並ぶ様々な重機たち。

先輩社員のアドバイスのもと、これらの操作を行っていたのは2024年春に入社したばかりの新入社員だ。

「つい先日、参加する新入社員の顔合わせ（自己紹介）と講師となる各社の企業紹介などが行われ、実践的な学びは今回からスタートします」と説明してくれたのは『喜多機械産業株式会社』管理本部総務課の前田さん。

このプロジェクトは2023年に第1回が行われ、今年で2回目！

各社で取り組んでいる研修の強みを活かし合い、新入社員が互いに成長できる関係を築くことを目的としているほか、企業間交流を通じて同業種・同年代の同志とふれあい、向上心や安心感を持ってもらう狙いもあるそうだ。

その狙い通り、前回の参加者から「他社の業務や現場のことを知れる良い機会になった」という声が多く上がっており、「再度、他社同期と集まるなら何をしたいか？」というアンケートでは「懇親会がしたい」と18人中13人も回答！

無事に打ち解け、1年で顔つきも立派な社会人に様変わりした。

さらに期待の高まる2年目の4社合同新人研修。

トラック搭載型クレーンやショベルカー、整地に使う重機の操作を順番に体験した。

慣れない重機の操作に、緊張も面白さも肌で感じながら、参加者は充実した時間を過ごしていた。

参加していたのは

社会インフラの公益支援事業として発注者支援業務を行っている『株式会社フジみらい』

徳島のインフラ整備を手がける総合建設会社『佐々木建設株式会社』。

建設機械・資材の販売、レンタル、修理などを行っている『喜多機械産業株式会社』。

総合建設業で100年以上の歴史を持つ『株式会社亀井組』。

4社からは建設業界の未来を担う17名が受講し、講師は持ち回りで各社がそれぞれの強みを活かした講義・指導を全4回実施、今年の秋に振り返り研修を予定している。

企業ごと部署ごとに行っている立場は違えど、多角的な考え・視野を持つことで業界理解が深まり、自己成長にもつなげやすくなる。

また、参加各社は新入社員研修だけでなく、日頃から仕事でもやり取りのある関係性

互いのことを理解し、コミュニケーションを深めることで、仕事のさらなる円滑化や高品質化も図っていきたいという意気込みだ。

参加者インタビュー／亀井組・岡本さん

「特に印象に残っているのはショベルカーの操作で、自分が頭で考えている動作を操作によって実現するのが難しかったです。アームやバケットの動き、ショベルカーじたいの旋回動作もすべて両手のハンドルの前後左右で操作するのですが、そのパターンに慣れるまでに時間がかかってしまいました。ただ、小さい頃から憧れていた重機を操作できたので、とても嬉しかったです！」

「所属している建築部では、これから現場監督を目指していきます。現場監督は工程管理や依頼主との打ち合わせだけでなく、職人の皆さんの監督として安全管理も重要です。今回の研修では重機の操作だけでなく、扱ううえでリスクのことや注意が必要なことについて実践的に学べてとても勉強になりました。」

参加者インタビュー／フジみらい・久米さん

「重機の操作は初めてで自分にできるか心配だったのですが、先輩講師の皆さんが丁寧に指導してくださってすべて動かすことができました。特に草刈りの重機は、達成感もあってお気に入りです。河川や道路の整備を通じて、たくさんの人たちの生活を支えることができるという点を魅力に感じこの業界を志望したのですが、その第1歩を踏み出せた感じがして、今からワクワクしています。」

「はい、顔合わせの日からさっそく声をかけ、今日も話をしました！ 建設業界は女性が少ないので、このような機会を通じて同じ志しの同世代の女の子たちと交流の機会をもてるのはすごく貴重ですし、嬉しいです。一緒にこれからも頑張りたいです。」

頼りになる先輩たちとともに高みを目指す！

当日はあいにくの天気だったが、時間内に無事すべての体験を終えた新入社員たち。

重機の操作を指南した先輩社員からは「現場は毎日が晴天というわけではないので、逆に雨の日にこういった体験ができたのは貴重な機会だと思います。これから重機を扱う機会のある人はいい練習に、そうじゃない人も安全管理に必要なことを学べたのではないでしょうか？これからまだ研修が残っています。研修で生まれた横のつながり・縦のつながりを活かして、業界を一緒に盛り上げていきましょう」と頼もしい声がかけられた。

ベテラン社員さんのなかには「自分たちの時代には横のつながりをつくるコミュニティがなかったので、正直彼らがうらやましいですし、しっかり育てないといけないと使命を感じています」熱のこもった本音を聞かせてくれた方も。

「指導に割く時間の確保やノウハウに限界がある」「同期が少なくて心配」という声も叫ばれる現代。

企業が手を取り合い実施する合同研修は、今の時代に地方にフィットした育成フォーマットになっていきそうな予感。

地域にどんなスターが誕生するのか！ 今から楽しみでしかたがない。