教えてくれたのは…
合同会社ZINEN　井上琢斗さん

2016年から3年間、三好市の地域おこし協力隊として活動。「チャレンジする人を増やしたい！」と学生のインターンシッププログラムの企画運営や県内の高校の探究学習の支援を行う。2022年に教育とツーリズム事業を手掛ける（同）ZINENを設立。誰でも使える学びの場の運営を経て、2023年4月にAI＆探究学習塾『自立探究学習塾ティール』を三好市池田町に開校。

2022年度から「探究学習」が高校の科目として必修化されました。国語・数学・社会といった科目ごとの学習ではなく、それらを総合的に活かすことで学びへとつなげ、自ら問題を見つけて解決方法を導き出す課題解決力を育成するというものです。

不確実で予測がつかないこれからの未来を生きる子どもたちにとって、偏差値では測れない考える力がますます必要となっています。子どもの探究教室は「学ばない塾」「興味を刺激する」として全国的に注目を集めており、探究で養われる考える力が子どもの人生の満足度を上げると感じています。

日常の中で子どもたちはさまざまな疑問に気づきます。おしゃべりが上手になってくると「なんで？どうして？」を連呼する時期がやってきて「付き合うのに苦労した……」というパパ・ママや、今まさにどうしようかと対応に悩んでいる保護者の方もいることでしょう。

しかし、これこそまさに探究であり、子どもの疑問は考える力を育てるチャンス。小さな頃は「なぜ？」と何にでも興味を持っていた子どもたちも少し大きくなってくると、今度は知らないことや疑問に気づけなくなります。興味の芽がたくさんある幼児期こそ、目線を合わせて一緒に考えることが大切です。

疑問一つひとつに大人が正しい答えを教える必要はありません。「これかな？」と思う答えに近づく経験を小さな頃から少しずつ積み重ねていくことが未来の考える力につながります。

考える力が身につくと、やりたいことを実現するために何が必要か、自分は何をすればいいかという行動を起こすのもスムーズです。親に言われたからではなく、自ら人生を切り開く力になり、人生を自分らしく生きることができます。

『ティール』では塾長を塾生が務めています。塾のルールを作るうえで中学1年生の塾長が考えたのが、全体ルールではなく個々の特性に合わせたルールを作ること。「勉強中にスマホを触る頻度が多い人はスマホをスタッフに預ける」というように、本質（この場合は集中して勉強すること）をとらえたうえで解決方法を提案してくれました。この課題解決力は、将来自分でやりたいことを見つけて、実現するのに役立ちます。

子育て中は時間に追われて、子どもの疑問にじっくり向き合う時間がとりづらいこともあります。

そんなときはAIを活用するのも手です。

今日の献立の提案やスケジュール・タスクの管理、LINEの返信文、遊びのアイデア出しなど、家事育児でAIツールに頼れることはたくさんあります。また調べた情報が正しいかを判別する力は大人も子どもも必要で、AIは使い慣れておいたほうがいいでしょう。

親子で好奇心のアンテナをはって、子どもの芽をぐんぐん伸ばしましょう。