2024/07/17 11:00
しばやん
【子育てコラム】7月のテーマ「性教育について」満たされた子は自分を大切にできる
子どもたちの健やかな未来につながる知識や情報をお届けするコーナーです。
キーワード「性教育」満たされた子は自分を大切にできる
教えてくれたのは…
徳島県助産師会 林佳代子さん
香川県出身。徳島大学病院周産母子センターに助産師として勤務。病院勤務の傍ら県内の幼稚園や小・中学校へ出向き、「いのちの授業」として性教育を通した命の大切さを伝える活動を行っている。徳島県助産師会所属。
もはやタブーではない
日本の性教育は世界の中でも遅れていると言われますが、教育現場は少しずつ変わりつつあります。以前はセックスや精子・卵子といったワードを控えなくてはいけないことが多くありましたが、最近は性教育に対して理解が進み、きちんとした言葉で伝えられるようになってきました。
2022年に発表された「包括的性教育の推進に関する提言書」では、性教育は体の成長や性交のことだけでなく、性の多様性、ジェンダー平等、人権、性暴力といった幅広い視点で学ぶ教育であると示されています。
助産師が行う「いのちの授業」は、「生まれてきてくれてありがとう」ということを子どもたちに伝える性教育です。私が担当する授業では、チームで幼稚園や小・中学校に出向き、産道に見立てたトンネルを使った出生体験や、お産シーンを劇で表現するなどして、元気に生まれることがいかに尊くすばらしいことかを伝えています。子どもたちには自分自身が大切な存在であることに気づき、自分も人も大切にできる人になってほしいと考えています。
愛情で満たすことも性教育
赤ちゃんが泣くとパパやママはオムツを替えたり、母乳やミルクをあげたりして、不快を快にするために奮闘しますね。
実はこの日々の繰り返しこそ、赤ちゃんの心身を満たして「自分は大切な存在」と気づくための一歩になるのです。優しく声をかけながらお世話をして、赤ちゃんのうれしい気持ちを満たしてあげましょう。自分は大切な存在と気づくことは望まない妊娠や性暴力被害の防止にもつながります。
家族であってもプライベートゾーン(口と水着で隠れる部分)を触ったり触らせたりしてはいけません。触られていやだと感じたら、はっきりNOと断れるように愛情を伝えていきましょう。また家族内で性的虐待があるということも保護者の皆さんには知っておいてほしいです。
性の話を当たり前に
子どもが“性”に興味を持ちはじめたら、ごまかさずに向き合いましょう。対応に迷ったら子どもと一緒に調べます。いい絵本がたくさん出ているので、一緒に読んでみるのもおすすめです。小さい頃から読み聞かせしておけば、自然と知識が身につき、性教育が当たり前のこととして受け入れられるようになります。
性教育の必要性はわかっていても、伝え方や内容を迷っている保護者の方も多いと思います。そもそも、子育て真っ只中のみなさんの中で、性教育を受けたことがある方がどれだけいるでしょうか。
大人にも学びが必要です。助産師は病院以外の場所でも育児相談などによって、女性の体や子育てのサポートをしています。電話相談もあるので、利用してみてくださいね。
助産師による産前・産後電話相談
tel.090-3186-8358
助産師が子育てに関する悩みや女性の体、健康に関する相談に応えてくれる。13:00~16:00(土日祝、奇数月第3金曜除く)。相談無料。
性教育出前講座
教育機関から依頼を受けて行う助産師による「いのちの授業」。
ワイヤー編集部
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