2025/01/10 14:30
しばやん
【子育てコラム】1月のテーマ「おもちゃ病院」思い出をつなぐおもちゃドクター
子どもたちの健やかな未来につながる知識や情報をお届けするコーナーです。
キーワード「おもちゃ病院」思い出をつなぐおもちゃドクター
教えてくれたのは…
おもちゃ病院 鴨島診療所
代表 大西春男さん
吉野川市鴨島町出身。2012年から『徳島おもちゃ病院』の活動に参加し、2016年に故郷・鴨島町で『おもちゃ病院 鴨島診療所』を開院。おもちゃドクターとしてこれまでたくさんのおもちゃの治療(修理)に携わる。日本おもちゃ病院協会会員。
おもちゃ病院 鴨島診療所
総勢17名のボランティアが活動する県下最大規模のおもちゃ病院団体。毎月第4土曜13時~16時に『吉野北部コミュニティセンター』にて「おもちゃ病院in阿波市」を開催している。
形あるものは、いずれ壊れる
『おもちゃ病院』は壊れたおもちゃを修理するボランティア団体です。徳島県内では藍住町、徳島市、小松島市、石井町、阿波市、鳴門市で6つの団体が活動を行っています。
平成28年に個人で始めた鴨島診療所(阿波市で活動)は現在17名のボランティア団体となり、40代から80代のおもちゃドクターによって、これまで1163個※のおもちゃを治療(修理)してきました。
治癒率は97%で、さまざまな技能を持ったおもちゃドクターが不調の原因を探しながら元通り遊べるおもちゃになるように修理を行っています。
※2024年11月取材時点
預かったおもちゃは以前のように遊べることはもちろん、また壊れないように処置をします。
例えば首の折れたフィギュア。接着剤でとめるだけではまた同じように折れてしまうかもしれません。
折れた部分に軸になる芯を差し込んで補強してから接着することで同じような故障を防げます。
屋外で遊ぶラジコンで、砂利が本体内部に入り込んでしまい不調が生じたものがありました。
これは修理に加えて砂利が入りにくいような処置もします。
▲大小さまざまなおもちゃ修理に対応するためドクターたちが持っている道具も多彩。
依頼を受けるおもちゃにはそれぞれに思い出が詰まっています。
大切に使われてきたおもちゃを前に、ドクターたちは「どうにかして直したい。笑顔になってほしい」とみんなの知識や技術を持ち寄って修理しています。
意外と多い電池のトラブル
修理の依頼があるうちの約2割は電池周辺のトラブルです。
電池の容量が不足している、電池が液漏れして端子が錆びついているといったことが原因となり、音がでない、動かないと持ってこられます。
この場合は電池を交換する、端子の錆びをやすりで削って取り除くなど軽微な作業で直りますので、自宅でも簡単に修理できます。
お家の方が直している姿を見せるのも、ものを大切にすることを伝えるいい機会になりますよ。
ちなみに季節のおもちゃや上の子が使わなくなったおもちゃを保管するときなど、しばらく使わないおもちゃの電池は抜いておきましょう。液漏れの予防になります。
捨てるのはもったいない
今は身の回りにものがあふれる時代です。壊れてしまったら躊躇なく捨ててしまう人も多いかもしれません。
しかし、『おもちゃ病院』の治癒率は9割を超えており、壊れてしまってもほとんどのおもちゃは直すことができるのです。
大切に使うことで、親から子、孫へと次の世代へ思い出をつなぐことができます。
またもう遊ばないおもちゃは壊れていても『おもちゃ病院』に持ってきてください。
整備して児童館などへ寄付したり、部品を他のおもちゃの修理に活用したりしています。
たくさん遊んで壊れてしまったおもちゃにも活躍できる場所があることを、知っておいてほしいと思います。
おもちゃ病院 in 阿波市
ワイヤー編集部
- 住所/ 徳島市南末広町 2-95
- 電話/088-654-1112
- 営業時間/9:30~18:30
- 定休日/無
- 駐車場/なし