2019/12/19 09:40
がんも
《美波町/お食事処 むらかみ》こんなところに!? 定食が絶品の店。店主が探し求めた“いい魚”がここにある
ごはんを食べに出かけよう。
さて、どのお店にする?
馴染みの店、人気の店、話題の店…。いろいろ候補はあがるけれど、
ちょっとディープで味のある、今まで足を踏み入れたことのないようなお店に行ってみたい!
今回アワログ編集部がお届けするのは、ちょっとわかりにくい場所にあるけれど、定食が絶品の名店。
いつものお店にちょっぴり飽きちゃったあなたへ。
探検気分で訪れてみて。
お食事処 むらかみ/海部郡美波町
店主が探し求めた“いい魚”がここにある
[刺身定食]1,300 円
▲取材時はクロムツ・イカ・マグロの盛り合わせ。
[刺身定食]はその日にある魚3種類の盛り合わせ。ぶ厚く切られた刺身は味と食感の両方がしっかりと楽しめます。アレルギーや苦手なものを注文前に伝えると、その人に合わせて調整してくれます。
「ずっと前から刺身定食はしよんやけどな、今年から新顔がおるんよ」と店主の村上さん。その新入りとは「クロムツ」。高級魚として有名なノドグロと食感や味はほとんど一緒で、体の色が黒い方がクロムツで赤い方がノドグロ、と色が違うそうです。その身はもちもちとしており、何度も噛みしめても魚の味が続きます。あっさりとした脂でしつこさがなく、何枚でもぺろりと食べられます。秋から冬にかけてがクロムツの旬の時期で、これから身が大きくなるとのこと。
金目鯛の仕入れも始まるそうで、何が出てくるかは行ってからのお楽しみ。「おいしい魚を食べてほしい」との想いを強く持つ村上さんは、魚を求めて多い時には3~4軒の店を回るやる気の持ち主!
魚を求める観光客に人気なのは[刺身定食]や[海鮮丼]。地元の人には[とんかつ定食]や[焼肉定食]といった肉のメニューが好まれているようです。
親しみやすさがあふれた、お遍路さんも通う店
▲何十年もの間、店の入り口を任されてきたベテランのれん。
▲こじんまりとした清潔な店内。奥には6人がけの座敷もある。
ガラガラッと扉をあけると、店内は「昔ながらの食事処」の雰囲気が漂います。今から44年前、仕出し屋さんとして開業したのが始まり。30年を超える経験を積み重ね、仕出し屋として成熟してきたころに「食事処もやって欲しい」と地域全体の希望を受け『お食事処むらかみ』をスタートさせました。地元の人たちはもちろん、観光客やお遍路さんまで幅広いお客が店を訪れます。
▲料理人歴46 年。いつまでも衰えぬ“ やる気” で『むらかみ』を営む。
仕込みから接客まで仕事のすべてがおもしろいと言う村上さんは、特にお客とのおしゃべりが楽しみのひとつだそうです。地元の人は顔見知りなので、初めてのお客は特に覚えやすいのだとか。「どっから来たん」から始まり、おすすめの景色を教えたり、地元の美波町のことを話したり。気さくな村上さんからガイドブックには載っていない穴場を聞いて、県外の友達に自慢したい気持ちになります。
「料理って腕はあんまり関係ないと思うんよ。要は、やる気があるかないか。そういう気持ちを大事にして店を続けよるんよ」と語る村上さんの目は、真っ直ぐで力強いのが印象的でした。
▲遠くからでも目立つ、黒の「むらかみ」の文字
※この記事は、2019年10月号Geenで掲載した内容です。
お食事処 むらかみ
- 住所/ 海部郡美波町奥河内弁才天 68-1
- 電話/0884-77-0083
- 営業時間/11:00 〜14:00、17:00 〜20:00
- 定休日/火
- 駐車場/5台