学び・教養徳島県
2025/04/21 12:30
まちの人事部
【開催レポートby.神山まるごと高専】大阪・関西万博「テーマ事業プロデューサー」中島さち子氏 招聘講演会「いのちを高める」

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【開催レポートby.神山まるごと高専】大阪・関西万博「テーマ事業プロデューサー」中島さち子氏 招聘講演会「いのちを高める」

待ちに待った、「大阪・関西万博」が開幕しました!


【開催レポートby.神山まるごと高専】大阪・関西万博「テーマ事業プロデューサー」中島さち子氏 招聘講演会「いのちを高める」

提供:2025年日本国際博覧会協会


実は徳島県が大阪・関西万博に出展していることをご存じでしたか?


はじめに


関西広域連合が「いのち輝く関西・悠久の歴史と現在」をテーマに出展する「関西パビリオン」に「藍・阿波和紙・阿波指物」を施した徳島県ゾーン」が設置されます。

【開催レポートby.神山まるごと高専】大阪・関西万博「テーマ事業プロデューサー」中島さち子氏 招聘講演会「いのちを高める」

関西パビリオン徳島県ゾーン。サステナブルが息づく徳島発のライフスタイルや先駆的な未来技術、魅力ある観光・食・文化を世界に向けてPRします(提供:徳島県)

【開催レポートby.神山まるごと高専】大阪・関西万博「テーマ事業プロデューサー」中島さち子氏 招聘講演会「いのちを高める」


また、4月30日から5月3日には、「EXPOメッセ」で徳島の“文化と食”を体感できる「阿波の国とくしま つむぐCAFE」が開催されるとともに、5月2日、3日は万博会場全体を多様な“踊りの輪”に観客を巻き込む「阿波おどり」が披露されます。

さらに、10月には徳島の若者たちによるプレゼン大会「VISION MASHUP STAGE~私たちが握る2050年の未来設計図~supported by Tokushima」も開催される予定です。 

プレゼン大会の詳細はこちら↓

【登壇者募集中】舞台は大阪・関西万博!
徳島の若者たちのためのプレゼン大会「VISION MASHUP STAGE」

対象者は、徳島にゆかりのある15〜24歳! このプレゼンがきっとあなたの可能性を広げてくれるはず。

👀 詳細・申し込みはこちら

VISION MASHUP STAGE~私たちが握る2050年の未来設計図~


本企画は、「徳島の未来を担う若者」が万博のテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」の思いや理念を受け継ぎ、未来に向けた自らの考えやアイデアをプレゼンする大会で、大阪・関西万博「テーマ事業プロデューサー」を務める福岡伸一中島さち子氏、小山薫堂氏に「スペシャルナビゲーター」として参画いただくことが決定しています。

【開催レポートby.神山まるごと高専】大阪・関西万博「テーマ事業プロデューサー」中島さち子氏 招聘講演会「いのちを高める」

▲左から福岡伸一氏、中島さち子氏、小山薫堂氏

登壇者は、「スペシャルナビゲーター」の万博での担当テーマである「いのちを知る」「いのちを高める」「いのちをつむぐ」から1つのテーマを選択し、そのテーマに沿って、2050年に「いのち輝く未来社会」を実現するための必要なアイデアやその過程(=設計図)について提案することとなっています。


「スペシャルナビゲーター」招聘講演会


このプレゼン大会に向けた企画として「スペシャルナビゲーター」3名を徳島にお招きした講演会を開催しており、今年1月に第2弾として中島さち子氏の講演会を徳島市で開催しました。

前回の下島さんに続き、参加できなかった皆さんに向けて、当日の様子の様子をご紹介します。


↓↓↓


中島さち子さんとは


中島さんは数学分野、音楽分野、教育分野をはじめとする多くの分野で活躍されています。数学オリンピックでの日本人女性初金メダリストであり、大好きな数学を追いかけて世界各地を回ることもあるそうです。


数学と音楽の関係について、「ヒット曲のすごい秘密」という本も出版されています。他にも、株式会社steAmのCEOとして「Playfulな 世界を拡張し、 一人ひとりの 創造性をひらく」を掲げ、STEAM(Science,Technology,Engineering,Arts,Mathematics)教育の普及に向けて活動されています。その自己紹介を聞き、守備範囲の広さに衝撃を受けました。


中島さんは自身の紹介の中で、“たどう”という言葉について語られました。頭の中で色々と考える、脳内多動と呼ばれるものがありますが、ただ“多く動く”の“たどう”ではなく、“多く道がある”の“たどう”という生き方があると中島さんはおっしゃっています。


一つの道を極めていくことも面白い、でも好きなことがたくさんあった時には、それらを無理に一つに絞る必要もなく、多く道があるのも良いことではないか。そういった考えから、中島さんは多くの分野でたくさんの顔を持ち、世の中を変えるため日々活動されています。


創造の喜び、創造の民主化とは


中島さんは、“創造の喜び”という概念にも触れました。中島さんは、数学や音楽が好きな理由を、「できるからではなくて、むしろできないから」だと語ります。答えがそもそも決まっていて、その通りやれば良いというわけではなく、わからない、できなくても自分なりに創り出していく。


そして、そういった創造性を開いていけるような社会を作ることに魅力を感じているのだそう。すべての人は多様な創造性にあふれていて、万人万物にひそむ命の創造性を開く。それが、中島さんの目指す“創造性の民主化”だと言います。


そんな中で、自分の中での根本的なもの、“根っこ”となるものを大切にすべきだと中島さんは示し、ルールがあるようでないことの方が多い世の中で、自分の大切にする根っこを見つめながら、ルールは自分で作ってみるということが大切であると述べました。

【開催レポートby.神山まるごと高専】大阪・関西万博「テーマ事業プロデューサー」中島さち子氏 招聘講演会「いのちを高める」

中島さんより、数学、音楽、様々な学問のすすめ


数学は、本質的で、本来非常に自由な学問であると中島さんは語りました。数学オリンピックに出場する中で、中島さんは「あ、こんなものの見方があったか」と思わされることがよくあったそうです。見たことのない問題にぶつかった時、自分がどのように新しい道を切り開くか。それを見つける過程で、学びとは何かを考えさせてくれるのが、数学なのだそうです。


同様に、音楽や起業、その他のあらゆることも、既存の譜面を一生懸命練習したり同じ問題を何度も解いて練習するだけでなく、自分だけの視点、自分だけの表現の豊かさや音を持つことが大切。それは数学でも同じだと教えてくださいました。


また、「数学とは生命の燃焼である」「数学に一番にている仕事は百姓だ」などと述べた岡潔さん、“粘菌”の研究者で、「不思議ということあり。事不思議あり。物不思議あり。心不思議あり。理不思議あり。大日如来の大不思議あり。」という言葉を残した南方熊楠さんについて、面白いからぜひ読んでみてほしいと紹介されていました。


いのちとは何か


続いて、参加者に向けて“あなたにとっていのちとは?”という問いが投げかけられました。参加者は、「スマホのバッテリー」「自分でいられる時間」「個性」「人とのつながり」など、いわゆる寿命という意味だけでなく、自分らしさといった部分をいのちと捉えているなど、多様な考え方が現れていました。


いのち、という物に対して、中島さんは「息の霊」「息の地」「意の地」など、一般的に書かれる“命”とは違う綴り方についても触れました。いのちの語源は様々な説がありますが、“い”の部分は、生きるという言葉や呼吸の“息”、時には忌み嫌う、などといった死を意味するような言葉が語源とされ、“ち”は血液の血や、心や魂を表す“霊”、大地の“地”などから来ているとも言われているそうです。


また、“命”という感じについては、口と令から成り、神のような大きな存在の下にあるもの、という意味が込められているのではないかという説について話されました。今回、講演の中で、“いのち”というものの捉え方は人によって大きく異なり、そして正解がないということを再認識させられました。


【開催レポートby.神山まるごと高専】大阪・関西万博「テーマ事業プロデューサー」中島さち子氏 招聘講演会「いのちを高める」

いのちを高める


万博は8人のプロデューサーがそれぞれのテーマを持ってパビリオンを展示していますが、その中で中島さんのテーマは「いのちを高める」。中島さんはこの言葉を、活力、生命力、生の歓びという意味の「Vigor」を注入する、という意味で「Invigorating Lives」と表しています。


中島さんは、“いのちを高める”について、揺らぎのある遊びの大切さを伝えました。いわゆるテーマパークのような決められた遊びも楽しいけれど、何が起こるかわからない自由な遊びが、創造性にとっても、いのちにとっても大切


中島さん自身もクラゲバンドというバンドに所属されていますが、その中で、他国の伝統音楽や日本の和太鼓などを混ぜて新しいものを作る経験をされているそうです。混じり合うことで何かが生まれる、そういった経験が「命を高める」につながっていると中島さんはおっしゃっていました。


大阪・関西万博をどうしていくか


万博は良くも悪くも半年で終わる。そんな万博を、それで終わらせていいのかというのが今回とても大きなテーマになっているのだとか。「158の国が参加する万博。その本質は技術の展示会ではなく、未来をどう作るかを考える場所。いろんな国の人が集まって、境界線を超えて一緒に未来を作ることができる機会なんです」と中島さんは語りました。


また、万博の持続可能性について、万博のための建築も非常に面白いものがたくさんあるけれど、半年で壊されてしまう。その是非についての議論もずっとあったとのこと。そこで、中島さんらは万博協会と連携し、パビリオン等の万博後を考えるために『サーキュラーマーケット:ミャク市』という場が生まれたそうです。


そして、「結局、万博とは何かって言ったら、みんなが未来を考える場なんですね。そのためにどうするのか?っていうのを、もっといろんな人が議論したら面白くなると思うんです」と万博の意義を改めて強調し、講演を締めくくりました。


【開催レポートby.神山まるごと高専】大阪・関西万博「テーマ事業プロデューサー」中島さち子氏 招聘講演会「いのちを高める」

質疑応答


ここからは、講演会で行われた質疑応答をご紹介していきます。

Q.

憧れの人の真似することが好きなのですが、それが自分の思考を狭めることになっている気もします。そこから抜け出すにはどうしたら良いでしょうか?

A.
誰かをサポートすることが好き、ちょっと声をかけてみることが好き、憧れの誰かを真似することが好き、なども創造性に含まれると思います。全員違うから面白いんです。自分も変わっていくからそこに執着する必要もないけれど、人を真似することも十分創造性だから誇りを持っていいと思います。


Q.
遊びという部分について、本来は等身大の自分で遊びを楽しんだ方が良いのではとわかっているのですが、プライドなどが邪魔して自分を大きく見せるために本質を見失ってしまいます。どうしたらそういった見栄の部分を切り捨てて遊びを楽しめるようになるでしょうか?

A.
柔軟な遊びを楽しんでいる人は強い。メダルや試験のため、という目的を持って動くことも大切ですが、うまくいかなかった時にぽきんと折れてしまうこともあるでしょう。そういう時に、本来はメダルやテストで取る点が最終的な目的なのではなくて、もっと先に永遠に続く面白い世界があって、そこに向かう過程を楽しめるようになればいいと思います。


Q.
中島さんの中で喜びを確信した、掴んだタイミングはいつでしたか?

A.
中学校3年生の時に、1ヶ月間ずっと考えていた数学の問題があって、ある意味解けないからできないということだけれど、ずっと考えていられることに対して面白い、楽しいと感じたのがきっかけでした。


【開催レポートby.神山まるごと高専】大阪・関西万博「テーマ事業プロデューサー」中島さち子氏 招聘講演会「いのちを高める」

講演後には、ワークショップも実施


【開催レポートby.神山まるごと高専】大阪・関西万博「テーマ事業プロデューサー」中島さち子氏 招聘講演会「いのちを高める」

講演後は、グループに分かれて活発な意見交換が行われました。異なる高校・大学から集まった学生同士の交流にもなり、良い刺激を受けることができました。

編集後記


中島プロデューサー講演会、いかがだったでしょうか。今回私は、中島さんの講演会に参加して、不確実で自由な生き方を許容できるようになったと感じています。全てが目的を持った行動である必要はなく、自分なりに学びそのものを面白がり、楽しみ、やりたいことにまず挑戦してみる姿勢の方が、メダルを取ることよりも大切なのだと学びました。

これからプレゼン大会に向けても様々な活動を行っていきますが、周りからすごいと言われたり、社会的に評価されることに目を向けすぎず、自分の大切にしていることに目を向けて作り出していくことを忘れないようにしたいと感じました。いのちを高める、万博パビリオンのテーマと聞くと難しくて遠いことのように聞こえますが、本来はもっと自分の近くにあるもので、人生をより面白く楽しくするということに他ならない。これから来年に向けて開催される万博に参加する人たちがこの事実を知ってパビリオンを前にどういうことを思い、何を創造するのか、自分は何を創造できるのかが楽しみになりました。

本記事を読んでくださった皆さんにも、いのちを高めることや、創造の喜びの面白さが伝わることを願っています。

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