2021/07/19 13:01
まっつん
どうも、新米編集長のまっつんです!
みなさん、フリーマガジン「あわわ2021年8月号」を手に取っていただけましたか?
毎月読んでくださっているというコアな読者の皆さまは
「あれ、今月からちょっと変わってない?」とお気づきの方も多いのでは?
そうなんです! 実は今月号から大きくリニューアルしたんです!
その全容はまた別の記事で紹介しているので
今回の記事では、新しい「あわわ」の表紙がどのように出来上がったのかを紹介しようと思います。
《構想》
完全リニューアルにともない、「何をどうする?」という話は、実は4月上旬頃からすでに話し合われていました。
まず、本を作るうえで重要なコンセプトやターゲットなど、これからの「あわわ」の軸となる部分を熟考。
それが練り上がったのち、まず一番最初に着手したのが印象を左右する表紙についてでした。
全体のリニューアルをビジュアルでも伝えられるように、新しい変化が求められたのです。
入社10年目とはいえ、これまで本誌の表紙制作経験ゼロの僕にとってなかなか難題だったので、実はあわわ編集部を影で操る裏ボス・タツイチ氏にアドバイスを求めることに。
タツイチ氏は、僕が幼稚園で砂遊びをしていた頃からこの業界で生きているベテラン社員。
僕が学生時代に衝撃を受けた、50年代のアメリカNEWS番組風のあわわの表紙を考えた人でもあります(しかもこのときのメイン特集は、うどん)。
まっつん
リニューアル第1号の表紙についてなんですが、8月号ということなんで、やはりテーマは阿波おどりですかね。
タツイチ
異論はない。で、肝心な路線だけれど、どういう感じで考えている?
まっつん
あまり具体的にイメージができていなくて。ただ、これまでは写真が多かったので、変化を求めるのであれば、方向転換が必要なのかなと思います。
タツイチ
俺も同じことを考えていた。写真ビジュアルが悪いわけでなないけど、全体のリニューアルを周知するためには、大胆に舵を切った方が良い。お互い意見が一致ということでイラストではどうだろう?
まっつん
あ、いいですねイラスト! これまでスポット的にイラストを使ったことはありましたが、年間を通じてというのは最近やっていなかったように思います。
タツイチ
特集に合わせて毎回書き下ろしてもらえば、年間イラストでも違いをみせることができるはず。アイデアは編集者のアイデアが求められるけどな(笑)
まっつん
お、いきなりハードル(高)。となると阿波おどりの踊り子のイラストで~
この数週間後
今年の阿波おどりが、規模を縮小した限定開催になる見込みというニュースが飛び込みます!
阿波おどりを軸に考えていた特集は、路線変更を余儀なくされ、阿波おどりの表紙案もお蔵入りとなりました(来年こそは~)
路線変更/打ち合わせ
いきなり出鼻をくじかれた「あわわ編集部」ですが、止まってはいられません!
阿波おどりは特集からスポットネタにおさえるカタチにして、第2特集として予定していた県内のレジャーネタをメイン特集へシフト。
早速、デザイナーさんと打ち合わせをすることになりました。
今回から表紙のデザインをお願いすることにしたのは、『curlly Design』のカーリーさんこと西岡賢幸さん。僕と同じ30代のデザイナーさんです(年齢的には少し先輩)。
カーリーさんは、2009年にグラフィックデザイン事務所「studio ATTIC」に入社。 チラシ・ロゴデザインなど、 紙媒体を主としてデザインを学び、 2019年からフリーランスとして活動されています。
この「studio ATTIC」というのが何を隠そう「あわわ」の一時代を支えてくれた伝説のデザイナー・杉崎義彦さんの事務所なんです!
そういった縁があることはもちろん、イラストも得意ということで今回から表紙デザインをお願いすることになりました。
まっつん
今回のメイン特集は「ご近所レジャー」ということで、地元の魅力を再発見できるようなネタを紹介していこうと考えています。なので、表紙内では「徳島の自然」を盛り込んでいきたいかなと。あとはコロナ禍ということでマイカーでのおでかけが増えると思うので、車も重要なポイントと考えています。
デザイナー・カーリーさん
具体的に、ここを入れたいという徳島のスポットはありますか? あと主役は自然と車どっちにしましょうか?
まっつん
「具体的にここ」というよりかは、読者の人が視覚情報で「今回の「あわわ」が県内のレジャー企画なんだろうな~」と思ってもらえるようになるのが理想です。なので忠実な模写じゃなくて、海もあり、山もあり、川もあり、そして徳島といえばあれだよね~というようなものがおさまりよくまとまっているのが理想ですね(難題)
タツイチ
表紙の県内のディラーにタイアップで提案できるのであれば、車が主役になってもいいと思います。メーカーのロゴとかもボディに入れればなかなかのPRになるかと。
まっつん
だとすると車はSUVですかね。
デザイナー・カーリーさん
そうですね。街でも最近SUVよく見かけます。「あわわ」の新しいターゲットが30~40代ということですので、ちょうど良いのではないでしょうか? それじゃあ、この内容を踏まえて1週間くらいでラフ上げますね。
まっつん
お願いします!
ラフ確認/調整
そしてあがってきた初回ラフがこちら!
タツイチ
これまでの「あわわ」と雰囲気が変わりました。こちらの想像以上です。
まっつん
眉山や佐那河内の風力発電、鳴門の橋もしっかり見えていますし、何より自然もりもりな感じが好きです。
デザイナー・カーリーさん
まだラフの段階なので、車はありもの素材を使いましたが、これから微調整をかけていければと考えています。
というわけで、ここから細かなブラッシュアップがスタート!
まっつん
表紙のなかで車が3台が登場するのは、少しやり過ぎな気がしますね。あと本が左開きになるので、メインの車のは左側にいた方がいいのではないかと。
タツイチ
車のボディーカラーは、赤が適切かな? 広告として提案するなら、ディラーが売りたいのはシンプルな白とか黒なんじゃないだろうか?
デザイナー・カーリーさん
車の色はいろいろと試してみたのですが、やはり赤色が引き締まるんですよね。全体的に青や緑が多いので、そのほかの色がくると違和感というか、全体のバランスを保てなくなるんです。
タツイチ
なるほど。そういわれるとそうかもしれない。そしたら提案は赤ありきだな。
まっつん
メイン特集のタイトルを入れる位置が今くらいだとマガジンラックに入れたとき、隠れちゃいますよね。
まっつん
こんな感じに! けっこうこのタイプで設置しているところが多いので、調整してもらいたいです。
デザイナー・カーリーさん
確かにそうですね。では、タイトルは比較的高い位置へ。
タツイチ
フリーマガジンを示す文言が「TAKE FREE」だけでいいのだろうか? ちょっとわかりにくくない? あと「あわわ」の電子書籍版をもっとPRする必要があると思うから、その案内を表紙にいれたいな~。
まっつん
やっぱりこれまでどおり「0円」という表記はどこかにほしいですね。ただ「円」の漢字を入れるとどうも、バランスが…。
タツイチ
円を¥で表現するとどうだろう?
デザイナー・カーリーさん
こんな感じですかね(シャッシャシャ)
タツイチ
そうです! そうです! そんな感じです。バランスはおまかせします。
というわけで、調整いただいたのがこちら。
車の数が減り、前回よりもスッキリ。その分人物の主張が増えて、前回よりもワイワイした見た目に!
また、フリーマガジンをあらわす0円の表記も、すっきりおさまりました!
まっつん
結構印象変わりますね(良い方向に)。前回よりも人がたっていて個人的に好きです。
タツイチ
山や道路の位置も微調整してくださっていますね。ありがとうございます。
デザイナー・カーリーさん
実は山とか空、海などのバランスを変更するのが一番難しいんですよ。ざっくり頭のなかでイメージはするんですが、実際に配置してみて「あ~でもない」「こーでもない」みたいな。結構何度も変更したんで、これ以上あんまり大きな変更言わないでくださいね(笑)
まっつん
実は…
そうなんです。実は、表紙タイアップの広告を県内のディラーに案内していたのですが、残念ながら出稿につながらず…。
車の案はこのとき、無くなってしまったのです。
デザイナー・カーリーさん
・・・。
タツイチ
すいません。力及ばず。
まっつん
同じく。
デザイナー・カーリーさん
残念ですね。そしたらどうしましょうか?
まっつん
せっかくここまで考えていただいたので、このビジュアルを活かしましょう。
タツイチ
そやね。赤い車という大枠は残しつつ、車種を変えますか? SUVのままだと、「あそこのメーカーっぽい」みたいなことになっちゃいますし。
デザイナー・カーリーさん
どんな車がいいですかね~。
タツイチ
せっかくなら外車っぽい車にしよう。カッコいいし。
デザイナー・カーリーさん
外車で日本の人にもイメージしやすくて、おでかけというとなんですかね。ビートルとか。
タツイチ
あ、そうそう近い。
まっつん
クラシック路線がいいですね。
タツイチ
国産でいうとパオとかフィガロとかのイメージかな
デザイナー・カーリーさん
なるほど、だいたいイメージできました。せっかくなんでオープンカーにしてみませんか? そうしたら人をもっとたたせることができますし、パレードみたいでワクワクしません(笑)
まっつん
それいいですね。せっかくならナンバープレートとかも工夫しましょうか? あわわのロゴ入れるだけではちょっと物足りないですよね。う~ん。
タツイチ
「よ~く見た人だけが気づく、間違い探しじゃないけど、そういった遊び心がほしい」
まっつん
じゃあ、こんなんどうですか? 四桁の数字は「あわわ」の郵便番号で、所属地域は住所みたいな
タツイチ
それでいこう! あわわの自社ビルも登場させよう。すごく小さくていいので!
デザイナー・カーリーさん
イメージできました。早速仕上げてきます!
完成した表紙!
そして、できあがった表紙がこちら。
最初のラフと比べると、「これからおでかけがはじまる」というワクワク感がより伝わってくる仕上がりなったと思います。
また、手前の車がオープンカーになることで、車も人物の主張も程よく、上部のタイトルとのバランスも絶妙!
納得の仕上がりとなりました!
「あわわの表紙ができるまで」は、今後新しい号が発行されるたびに連載予定!
次回の表紙もこうご期待。