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2020/10/15 12:53
あわわ編集部

《まとめ⑨》「徳島の今を語る」~マイフェイバリット徳島①~

《まとめ⑨》「徳島の今を語る」~マイフェイバリット徳島①~ 《まとめ⑨》「徳島の今を語る」~マイフェイバリット徳島①~

私が四国遍路の研究を始めたのはカナダの大学で日本の歴史を専攻し、日本民話の中に弘法大師が出てきたことがきっかけです。その後ご縁があり徳島の大学に就職が決まり、そこで四国遍路の説話により深く興味を持ちました。説話とはいわゆる昔話のこと。四国八十八箇所の寺それぞれに独自のエピソードがあり、その寺で起こった不思議な現象や伝説が記録として残されていま。説話を研究する中で衝撃を受けたのが『立江寺』。背筋がぞわぞわとするような説話が多く残されているからです。四国遍路にまつわる説話は、足の不自由な人が歩けるようになった、目が見えなかった人に視力が戻った、というようなご利益がある説話。そして、悪い心を持つ人が寺にこんな怖い説話もあるのか、と衝撃を受けました参拝すると立ちすくんで動けなくなったという不思議な現象が起こる説話の2 つのタイプが多いのですが、その中でも、立江寺にはちょっと怖い説話が残っているんですよ。約百年前に発行された『立江寺霊験記』の中に「肉付鐘の緒」という、この書物で唯一のイラスト付き説話があります。イラストがあると想像がしやすいですよね。頭の中に映像が浮かんできて、思わずぞくっとしました。この説話をかいつまんで紹介すると、不倫相手を手引きして夫を殺した女が立江寺に参拝したところ、突然女の髪が逆立って鐘の緒に巻き付いて頭皮ごとはがれてしまったという怖い話。その後、女は心を入れ替えて地蔵尊を熱心に信仰し、その鐘の緒は現在も寺にまつられている、と締めくくられています。ホラー要素が強いけれど、これは善事をすすめて悪事を懲らしめるという“ 勧善懲悪” の精神を伝えている話で、どの説話にもこの精神が含まれています。四国遍路の説話は人間味あふれる話が多く、私がこの分野を愛する要素の一つです。今回紹介した「肉付鐘の緒」はちょっと怖い話ですが、「悪いことをするとばちが当たる」という教訓がとても分かりやすく描かれています。このような説話を知らないという人が非常に多いので、広く知ってもらいたいですね。四国遍路を研究して20 年以上ですが、いまだに発掘されていない話もあるかもしれないと思うとロマンを感じずにはいられません。

《まとめ⑨》「徳島の今を語る」~マイフェイバリット徳島①~ 《まとめ⑨》「徳島の今を語る」~マイフェイバリット徳島①~

人形浄瑠璃の人形作りの第一人者が甘利洋一郎さんです。とにかくとびきりの腕前の持ち主で、大阪の文楽をはじめ、全国各地から修理や新作の依頼を受けられています。昨年は、アメリカの美術館から「日高川入相花王」という物語にでてくる“ 清姫” のオーダーがありました。一見美しいお姫様なのですが、一瞬で角が出て、目が見開き、口が裂ける…恐ろしい顔に変わるカラクリの人形です。「美術館で妖怪をテーマにした企画展を開催するからぜひ、目玉の一つとして飾りたい」と声がかかり、甘利さんと一緒に出来上がった人形を届けにいきました。そんな世界的にもリスペクトされている人形師が徳島にいるということ、あまり知られていないのでは浄瑠璃の人形を作る人形師にすばらしい人がいますないでしょうか。職人や大工さん、モノを作る人は道具が良くないといい仕事ができないですよね。甘利さんが人形作りに使う道具は美しいのです。もともと、刃物が好きでこの道に入ったそうで、道具の手入れがきちんと行き届いています。甘利さんからいただいた道具を『阿波十郎兵衛屋敷』に飾っていますよ。「もっといい人形を作ろう、どう工夫すれば演者にとって使いやすくなるのか」、そういう思いで作り続けているので、新しい人形を作るたびに、よりスムーズな動きで、より舞台映えするものになっているように思います。道具の扱いからもわかるように、仕事に取り組む姿勢も真面目で几帳面。そして納めた人形が出る舞台は必ず足を運び、客席でどう見えるか確認しているのです。また、木偶(※木ぼりの人形のこと)の制作教室の指導もされていて、身に着けた技術は誰にでも惜しみなく教えてくれます。現在は、アマチュアも含めて40 人近くの人形師がいますが、他県に比べて圧倒的に多い。それほど徳島で人形浄瑠璃が盛んだったという証拠でしょう。作る人もいる、演じる人もいる、発表の場もたくさんある、だから今まで継承されたのだと思います。徳島ならではの文化と言っても過言ではないでしょう。温暖な気候で水もたっぷりあり、非常に豊かなところ。その豊かさのうえに藍をつくって、経済力を得て、人形浄瑠璃が発展したのです。徳島を代表する文化資源の一つだと思います。

《まとめ⑨》「徳島の今を語る」~マイフェイバリット徳島①~ 《まとめ⑨》「徳島の今を語る」~マイフェイバリット徳島①~

私が徳島にやってきたのは10 年前の2010年。「四国のひとつ」ぐらいの知識で場所すら理解していない状態でしたが、グリーンバレーのプロジェクトに縁があり移住することに。その時に主催の大南さんからツイッター上で教えてもらったのが湊幸子さんでした。大南さんからの情報は「さっちゃんは外せない」という一言だけだったので、当初は映画や作品にすることはまったく考えていませんでした。しかし、初対面の日「何、しゃべりましょうか?」と言いながら、湯沸かし器の小窓を開けて煙草に火をつけるその姿に一目惚れしてしまって。けどそれは撮影者としての撮りがいや、監督としての目線ではなくて「おもしれぇ、このばあさん!」という単純な好奇心。もちろん、制作者としての欲は少なからずありましたが、引っ込ん出会えて幸福だったと思える人。こんな出会いは生涯もうないですでしまっていたというか、むしろ会うたびに大切な存在になっていきました。通常こういったドキュメンタリーでは自分を切り離すことで客観性を維持しますが、この作品はド主観しかない。なので、『神山アローン』は僕自身がもう一人の主人公でもあります。普通の物語のロジックならば(ドラマツルギーならば)僕はクライマックスで東京へ戻るはずですが、僕は徳島に留まった。それは、さっちゃんから神山のことを多く聞き、神山で起こる良い事も悪い事にも感情を共有する中でネイティブ的感覚が根付いてしまったからかもしれません。だけど一方で、さっちゃんが自分にとってどういう存在なのかわかっていない部分もある。余白を残しておくというか、すべてを言語化しない事が大事だったのかもしれません。ドキュメンタリー作家として言えるのは、出会えて幸福だったと思える撮影対象だったということ。こんな出会いはないでしょうね。身を滅ぼすだけです(笑)。 僕の師である映画監督の高橋洋さんが『神山アローン』への応援コメントで述べていました。「見ながらパッと思い出したのは、小津安二郎の『浮草』の登場人物たちだった。こんな人物はとっくにどこの田舎からもいなくなり、どこもかしこも似たようにフラットな風景になってしまったと自分は諦めていたかもしれない」と。よく徳島には何もないと地元の人たちは口にしますが、僕からしたら濃厚で豊かな歴史と文化がある。そして人情味にあふれた“ コテコテ” が徳島の良さだと思うんです。

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