2024/12/13 14:40
しばやん
![【インタビュー/絵本作家・真珠まりこさん】もったいないばあさん20周年!美馬市で原画展を開催中](https://sumahononakani.com/tjn/upload/img_reports/detail/500d3a0df7f046d75ee2495e2fd7b6193b0b481b368fd7b8a1d6e379d0627f23675bc7e583868.jpg)
【インタビュー/絵本作家・真珠まりこさん】もったいないばあさん20周年!シリーズ最新作『もったいないばあさんのおばあちゃん』が発行
もったいないことをしようとすると、「もったいないことしてないかい?」とやってきて、感謝の気持ちと敬う心を教えてくれる『もったいないばあさん』。
誕生から20周年を迎え、2024年にはシリーズ最新作となる『もったいないばあさんのおばあちゃん』が発刊された。
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20周年を記念して各地でイベントを行っており、12月7日に『平惣徳島店』にて作者の真珠まりこさんによる「おはなし会」イベントを開催。0歳の赤ちゃんからシニア層までたくさんのファンでにぎわった。
「徳島は母の故郷。すだちが大好きです♡」という真珠さんに、最新作に込めた思いなどについてお話を伺った。
真珠まりこさんインタビュー
PROFILE
真珠まりこ・しんじゅまりこ
兵庫県神戸市生まれ。大阪とニューヨークのデザイン学校で絵本制作を学び、2004年に出版した『もったいないばあさん』(講談社)でけんぶち絵本の里大賞、ようちえん絵本大賞を受賞。作品は他に『おべんとうバス』『おたからパン』(ひさかたチャイルド)、『なないろどうわ』(アリス館)、『おつきさまのパンケーキ』(ほるぷ出版)など多数。
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―『もったいないばあさん』が20周年を迎えられました。これほど長く愛されていることをご自身ではどのように考えていますか
『もったいないばあさん』は今の時代に必要なメッセージを伝えるおばあちゃんだと思っているので、たくさんの方に読んでいただけてうれしいです。
2024年は、幼稚園や学校の先生になるための勉強をされている若い方の前でお話する機会が多かったのですが、子どものときに『もったいないばあさん』を読んで育ったという20歳の学生さんが、「卒業後は、自分が子どもたちに読んでいきます」と言ってくれたんです。
家庭だけでなく、園や学校でも、絵本で世代がつながっていくなんて、絵本てすごいなと思いました。
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「おはなし会」は『もったいないばあさん』を読むところからスタート。絵描きうたやみんなで「もったいないばあさん音頭」を踊るシーンもあった。
—最新作『もったいないばあさんのおばあちゃん』には、どのような思いが込められていますか
当時小学生だった息子に「今度は”もったいないばあさん”が、なぜ”もったいないばあさん”になったのかっていう本を作ったらいいんじゃない」とアイデアをもらってから、ずっと作りたかったテーマなんです。すぐにはできず、考え続けて20年、やっとできました。
私は親から、お米はとても大切なものだから、ご飯粒を残さないようにと言われて育ちました。息子にも同じように、ご飯粒だけは残さないようにと伝えてきました。
そして、「ひと粒残さず食べるべし」は、”もったいないばあさん”の口癖です。
「なぜ”もったいないばあさん”なのか?」と考えるうちに、「ご飯はとても大切だからひと粒も残さないように」というのがテーマなのではと感じるようになって……。
そこから、”もったいないばあさん”もきっと大事なことはおばあちゃんに教えてもらったんじゃないかなと考えて、どうやって教えてもらったのか、ご飯がなぜひと粒ひと粒ありがたくてもったいないか、いろいろな要素がだんだんとつながってきたんです。
![【インタビュー/絵本作家・真珠まりこさん】もったいないばあさん20周年!美馬市で原画展を開催中](https://sumahononakani.com/tjn/upload/img_reports/detail/cd0c11c60a0b3b7f974c36f8c002ef9f2418fd39af0b699fb023fc459aed7ed06757e7b50a60a.jpg)
昔のお米作りは、田植えや稲刈りもすべて手作業で行われていました。
お日さま、雨、風、土、一緒に作ってくれた人たち、何ひとつかけてもできないから、本当にありがたい。”もったいないばあさん”のおばあちゃんは、すべてのものに「ありがたや、ありがたや」と手を合わせて感謝をする人でした。そして、それを見て育った”もったいないばあさん”。
「もったいない」は感謝の気持ちと敬う心。
私は、この本を日本中の子どもたちに読んでもらいたいと思っています。
「ひと粒ひと粒、ありがたくてもったいない」のはなぜか。なぜ「もったいない」なのか。絵本を読んで、心で感じてほしい。大切な日本の心が続いていくといいなと思います。
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―2024年には『キノコのしろちゃん』も手掛けられていますね。どのように生まれた作品ですか
山の上にアトリエがあって、周りにきのこが生えるんです。きのこが輪っかになって生えている様子は、まるでダンスを踊っているみたいで、きのこを身近に感じていたら、自然にストーリーができました。
―キノコたちの挨拶「よいおしめりでしたね」がとても印象的でした
「よいおしめりで」は、私のおばあちゃんが雨上がりのご挨拶に使っていたんですが、昔から伝わる大和言葉なんだそうです。きのこにぴったりの挨拶でしょう?
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赤ちゃんから親しめる絵本もたくさん手がけている。
―今後どんな絵本を作りたいですか?
実は、おばあちゃんの料理食べ歩き研究家になりたいと思っていて、郷土料理にとても興味があるんです。
郷土に伝わる料理には、その土地の食材を保存したり調理したり、おばあちゃんの知恵がたくさん詰まっています。
あちこちの郷土料理を食べたり、時には習ったりするのがすごく楽しくて、日本各地に伝わるものをまとめて本にできたらと思っています。
”もったいないばあさん”から、日本の良さを伝えることができたらいいなと。
「もったいないばあさんのおばあちゃん絵本原画展」を『美馬市立図書館』で開催中(~2025年1月6日(月))
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―原画展の見どころはいかがですか
『もったいないばあさん』シリーズの本は、すべて貼り絵で作っているのですが、『もったいないばあさんのおばあちゃん』は、特に自然の部分に和紙を使い、稲や葉っぱの一つひとつ、和紙を染めて、描いて、切って、貼って作りました。
原画を見ることでしかわからない質感や手仕事の様子をぜひご覧になってください。
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2024年の新作絵本。
『もったいないばあさんのおばあちゃん』
1,650円
●作/真珠まりこ
●出版社/講談社
『キノコのしろちゃん』
1,210円
●作/真珠まりこ
●出版社/白泉社