【連載】おいしいコーヒーの淹れ方／とよとみ珈琲（徳島市末広）

この春、社会人になった私は同時にコーヒーもデビュー。コーヒーを買って飲む機会が増え、ようやく自分好みの味もわかってきた。

しかし豆の挽き方やドリップの仕方などおいしい淹れ方は無知。そこで、徳島で自家焙煎し究極の一杯を目指すスペシャリスト達にお家で楽しめる淹れ方を教わった。

マスターのこだわりを知って、コーヒーをよく知らない人もコーヒーが好きな人も、おいしいコーヒーがある生活をエンジョイしませんか？



ということで今回は『とよとみ珈琲』におじゃましてきた！

店を出るときには「また来たい」と思わせられるコーヒー店

2003年にオープンし、今年で20年を迎えた『とよとみ珈琲』。
「いらっしゃい！」と迎えてくれたのは笑顔が似合うマスターの豊富さん。自家焙煎歴は25年目と長く、徳島のロースター界にとっても先達的存在だ。

自らブラジルやエチオピアなど世界各国のコーヒー豆生産地に足を運び、信頼できる豆だけを厳選していると言う。良い豆を求め、世界へ足を伸ばす活力にただただ驚いた。

2台の焙煎機をはじめ、世界一流の機械や道具をそろえ、誰が飲んでもおいしい一杯を届けている。

写真は［PROBAT］という焙煎機。世界中のロースターが憧れる一台だ。この秋、内圧系を取り付けてカスタマイズし、日々おいしいコーヒーを研究している。

こちらは［FUJI ROYAL REVOLUTION］。なんとこの型の1号機。2号目以降に作られたものは少し形状が違うため、世界に一つしかない唯一無二の焙煎機だ。

そしてこの規模の焙煎機が2台も並んでいるコーヒー店はそうそうない。これらを手に入れられるマスターの偉大さをひしひしと感じた。

店内には、ドリッパーやミルなどの器具が数多く並ぶ。そのほとんどに「マスターの私物です。使ってみてください！」と書かれたシールが。

さまざまな道具を試し、いいものはみんなに共有したいというコーヒーへの強い愛とやさしさが垣間見える。

カウンターにはたくさんの豆とともに、豆の特徴や、訪れた産地のこと、生産者のことなどが書かれたポップがずらり。気になる銘柄を伝えると、お客さんの好みに合った淹れ方や豆の情報を詳しく教えてくれる。

以前はイートインスペースがあったが、コロナ禍からテイクアウト販売へとシフトチェンジ。「お客さんと対話しながら、その人に合ったコーヒーを提案する提供をずっとしたかった。居心地のいいカフェは徳島にいっぱいあるけど、コーヒーの淹れ方をここまで説明できる店はここしかない」と笑みをこぼす。

そんなマスターを頼りに豆を求めて訪れるお客さんのひとりに私もなりたい、と思った瞬間だった。

2Fはコーヒーに関する書籍や資料などが並ぶギャラリースペース。

世界各国の豆の産地を訪れた際の写真やブログがまとめられており、どこでどんな人が豆を作っているのかがわかる。
一方、産地に行く際も豆の生産者にお店や常連さんの写真を見せているそう。

生産者と消費者の両者を想い、マスターのコーヒーにかける思いの強さを感じる。

ただおいしいコーヒーが飲める店ではなく、コーヒーを通して日本のこと、世界のことを考えさせられる博物館のようなお店だ。

おすすめの豆と淹れ方

「飲みやすいコーヒーが好みです」と伝えると浅煎りの［COSTA RICA］をセレクトしてくれた。実験のようにたのしく教えてくれた淹れ方をご紹介！

ほどよい酸味が心地良く、やさしい甘さが感じられる一杯をいただいた。

そして、一度にお湯を入れて待つだけの優れもの［CLEVER DRIPPER］に釘付けになった。これならハンドドリップ初心者の私にもできるはず。徳島ではここでしか手に入らないらしい。必見だ！



みんなに試してほしいおすすめ豆もご紹介！

豆情報

▶▶HP・オンラインストア

他にもコーヒーに合うスイーツや［コーヒーバッグ］などコーヒーギフトが勢ぞろい。ここに来れば何でもそろうなぁ。
なかでも［アイスコーヒー］はこの夏大人気だったそう。

マスターにとってコーヒーとは

「平和の象徴かな。平和じゃなかったらコーヒーなんか飲めないよね。コーヒーを飲むときくらいはたのしい気分になってほしいし、おいしいコーヒーをつくることが世界平和につながると信じたいな。」とやさしく語ってくれた。

コーヒーを、みんなを、世界を想う気持ちがこもったマスターのコーヒーはおいしいに決まっている。

コーヒーの味わいだけでなく、豆を選ぶところからコーヒーを口にするまでの過程、背景の奥深さを教えてくれた『とよとみ珈琲』。

「今日は薄かったな」「濃すぎたな」と言いながら自分の好みに合わせて淹れるコーヒータイムがより一層楽しくなった。