2023/11/03 09:00
さあや
【連載】おいしいコーヒーの淹れ方/ハレとケ珈琲(三好市池田町)
この春、社会人になった私は同時にコーヒーもデビュー。コーヒーを買って飲む機会が増え、ようやく自分好みの味もわかってきた。
しかし豆の挽き方やドリップの仕方などおいしい淹れ方は無知。そこで、徳島で自家焙煎し究極の一杯を目指すスペシャリスト達にお家で楽しめる淹れ方を教わった。
マスターのこだわりを知って、コーヒーをよく知らない人もコーヒーが好きな人も、おいしいコーヒーがある生活をエンジョイしませんか?
ということで今回は『ハレとケ珈琲』におじゃましてきた!
廃校でいただけるここでしか飲めない一杯
徳島市内から西へ車を走らせること約1時間。
何度訪れても県西の壮大な山々とエメラルドグリーンの吉野川には感動させられる。
ちょっとした観光気分を味わいながらたどり着いた先は『ハレとケ珈琲』。
旧出合小学校を利用したカフェで、川の水が流れる音、鳥のさえずりが心地良い、静かな場所だった。
久しぶりの学校にわくわくしながら教室まで歩く。扉を開くと黒板もイスもそのまま。懐かしく落ち着く空間が広がっていた。
迎えてくれたのは『ハレとケデザイン舎』の植本修子さん。
ここに来る前は東京でデザインの仕事をしていたが、10年前に池田町の廃校を活用するというプロジェクトの募集に手を挙げた。修子さんの父は焙煎士、母は洋菓子職人ということもあり、廃校を活用したカフェに挑戦してみようと移住することを決意したそう。
ここでいただけるのはすっきりとした深煎りコーヒー。ブラックが飲めなかった人が、これだったら飲めると絶賛するほど酸味、雑味がなく飲みやすい。水は山水を使っているため香り高い一杯となっている。
廃校カフェならではのドリップ体験ができる『ハレとケ珈琲LABO』は、学校の実験で使う器具などを使ってコーヒーを淹れる体験ができる。豆が試験管に入っていたり、アルコールランプで牛乳を温めるなど楽しくコーヒーを淹れることができる。
焙煎はお父さんから手回しの焙煎機で教わったという。
お父さんは現在も焙煎機を改造したり冷却マシンを自作するなどし自家焙煎しており、修子さんは味の良し悪しや風味の好みを受け継いでいる。
今使っているのは[YOSANO ROASTER]という遠赤外線により加熱するもの。
一般的なものと熱の入れ方が異なり、じっくりと豆の内部まで加熱できるため、豆の劣化も遅く、時間が経つごとに味が変わっていくというおもしろさもあるのだとか。
そんな魅力的な焙煎機なのにあまり流通していないということで豆を買って帰るほかはない!
フード、スイーツも必見
写真は[鳴門金時とクリームチーズのピッツァ](1,700円)。鳴門金時のやさしい甘さとクリームチーズの相性が抜群だ。1人分の量としては多めだと聞いていたがペロリと食べてしまった。
ハレとケといえば[カヌレ]が人気だけれど[とろけるレアチーズケーキ](550円)にも注目すべし。香り高く上品な味わいで修子さんの妹さんが手作りしたものだ。
妹さんはここや『シモノロ・パーマネント(ハレとケデザイン舎が運営する谷のサウナがある旧下野呂内小学校を使用した施設https://www.shimonoro-p.jp/)』で洋菓子教室も開催しているそう。
そんなスイーツにもぴったりな『ハレとケ珈琲』のコーヒーのおいしい淹れ方を詳しく教えてくれた。
おいしいコーヒーの淹れ方
深煎りの[エチオピア グジ ゲイシャ](1,200円/100g)
抽出したコーヒーにお湯を足す方法があるなんて。
お湯を足す分、豆が多く必要だからあまり主流ではないそうだ。
お湯を足すと聞いて薄味になるのではと想像する人も少なくはないと思うが、しっかりとしたコーヒーの味わいに香り深い一杯に仕上がっている。コーヒーが苦手な人はぜひこのコーヒーから挑戦してみてほしい。
豆情報
・ブラジル(650円/100g)
・グアテマラ(650円/100g)
・メキシコ(650円/100g)
・限定焙煎品種 マンデリンミトラ(700円/100g)
マスターにとってコーヒーとは
「家族を思い出すもの」。
幼少期から家庭にはコーヒーの香りが漂っていたそう。焙煎士、洋菓子職人のご両親はカフェをひらいた修子さんを喜んでくれているだろう。ずっと身近にある大切なものを手掛ける修子さんのコーヒーは間違いなくおいしかった。
ハレとケ珈琲 本店
- 住所/ 三好市池田町大利大西 15
- 電話/0883-75-2208
- 営業時間/ 11:00~16:00
備考/土・日曜、祝日は~17:00
- 定休日/火、水、木
- 駐車場/5台