2024/03/21 11:30
さあや
【連載】おいしいコーヒーの淹れ方/やまなみ珈琲店(徳島市三軒屋)
この春、社会人になった私は同時にコーヒーもデビュー。コーヒーを買って飲む機会が増え、ようやく自分好みの味もわかってきた。
しかし豆の挽き方やドリップの仕方などおいしい淹れ方は無知。そこで、徳島で自家焙煎し究極の一杯を目指すスペシャリスト達にお家で楽しめる淹れ方を教わった。
マスターのこだわりを知って、コーヒーをよく知らない人もコーヒーが好きな人も、おいしいコーヒーがある生活をエンジョイしませんか?
ということで今回は『やまなみ珈琲店』におじゃましてきた!
「全て本物を」。創業よりこだわる本格派の品々
話を聞かせてくれたのは、『有限会社ジュディアン』会長の岸幸子さん。1974年よりご主人とともに『やまなみ珈琲店』を創業。当時は小松島市に『珈琲人チェーン やまなみ』を構え、その後県内に店舗を拡大し言わずと知れた喫茶店の名店を作り上げた。現在は2001年より開店の本店である三軒屋店と小松島市にあるバイパス店を見守る。
「恥ずかしいから」と笑い、写真を撮らせてもらうことはできなかったが創業から現在まで一から紡いできた『やまなみ珈琲店』を振り返ってくれた。
創業はオイルショックの最中。新しいこと・独自のことが好きだったというご主人と二人三脚で喫茶店を開業した。コーヒー・焙煎を学び“全て本物を提供”することをコンセプトに挑戦をやめなかったという。
岸会長は「いろんなことがあったけど本当に楽しい日々だった」と当時を振り返る。
パティシエでもあるオーナーの菖蒲さんが作る本格ケーキ。
コーヒーだけでなく、パンやケーキも全て自家製。手をかけて『やまなみ珈琲店』の歴史と信頼を創り上げてきた。
親に手を引かれ連れられたお客が年を重ね、今も通い詰めているほど長年足を運ぶ常連が多い同店。地域に根付いておいしいコーヒーとあたたかいおもてなしを届けている。
多くのお客が注文するのは[ブレンドコーヒー](580円)。「このコーヒーをはじめて飲む人は苦いと感じる人もいるかもしれません。でも飲むほどにクセになるような味わいです」と岸会長。
現オーナーの菖蒲さんに代替わりした今もなお創業当時からの“やまなみの味”を守り続けている。
焙煎は、本店にある2台のロースター[FUJI ROYAL]で岸会長と菖蒲さんが行う。やまなみの深い味わいを出すには昔ながらのガスで焼き上げる直火式がかかせないという。
そんなコーヒーをここではサイフォンで淹れる。県内でもサイフォンを使用するお店は多くはないのだが、昔は家庭用に持っていたお客さんがたくさんいたそうだ。アルコールランプにて温め、抽出する演出を見られることでより一層コーヒーのおいしさが深まるように感じる。
おいしいコーヒーの淹れ方
やまなみブレンド 1,360円/200g
火から外すとフラスコにコーヒーが降りてくるのでカップに移していただいてください。
ほろ苦く、深みが感じられる重厚な味わいの一杯。これぞコーヒーという人が多い味なのかもしれない。ぜひオーナー・菖蒲さんが作る本格ケーキと合わせて食べてみてほしい。この上ない最高のペアリングだ。
豆情報
・ブラジル・サントス(1,300円/200g)
・キリマンジャロ(1,300円/200g)
・マンデリン(1,300円/200g)
・モカ(1,440円/200g)
マスターにとってコーヒーとは
「私の人生です」。
現在は会長として、同店を支える岸さん。時間をかけて一緒に歩んできたコーヒーと『やまなみ珈琲店』はこれからも変わらずこの街にあり続ける。
やまなみ珈琲店 三軒屋
- 住所/ 徳島市三軒屋町東 89-2
- 電話/088-669-3052
- 営業時間/9:00~18:00
- 定休日/無休
- 駐車場/7台