2024/03/19 08:00
さあや
【連載】おいしいコーヒーの淹れ方/クエイル珈琲(名西郡石井町)
この春、社会人になった私は同時にコーヒーもデビュー。コーヒーを買って飲む機会が増え、ようやく自分好みの味もわかってきた。
しかし豆の挽き方やドリップの仕方などおいしい淹れ方は無知。そこで、徳島で自家焙煎し究極の一杯を目指すスペシャリスト達にお家で楽しめる淹れ方を教わった。
マスターのこだわりを知って、コーヒーをよく知らない人もコーヒーが好きな人も、おいしいコーヒーがある生活をエンジョイしませんか?
ということで今回は『クエイル珈琲』におじゃましてきた!
みんなが集うヨリドコロ
「あのコーヒーショップに行きたい」と感じるときはおいしいコーヒーを飲みたい時というのはもちろんだが、「あのマスターに会いに行きたい」という思いで足を運ぶことは少なくない。いわばパワースポットやヒーリングスポットのようなものだと感じているのだが、今回紹介するお店もその類の一つ。
気さくで明るい店主の井口さんとスタッフの伊槻(いつき)さんに会いにくるお客さんが絶えない『クエイル珈琲』を訪れた。
場所は石井町高川原。徳島市内から県道30号を西に進み、脇に少し外れた場所にポツンと佇む小屋が見えてくる。
この小屋は、広がる畑を背にのどかな雰囲気を醸し、店内には大きな窓もある。優しい風が吹き抜け、四季折々の自然を感じることができる。店主の井口さんが惚れ込んだオンリーワンの物件だ。
店のコンパクトさがかえってコーヒーを身近に感じさせてくれ、稼働し続けるロースターやコーヒーを淹れる所作を間近で堪能できる。
お客は常連客が多く、駐車場へ入ってくる車を見て「〇〇さんやな」とわかってしまうほど。
お客は店内でスムーズにコーヒーを頼み、井口さん・伊槻さんとの会話を楽しんで次の行き先へ。ドライブスルーのように気軽に、でも心が通った空間が生まれていた。
店を営むふたりは10年以上の仲だという。コンビネーションはバッチリでいつも楽しそうだ。ふたりが織りなす心地よい掛け合いを聞いていてこちらまで心が温まる。
店主・井口さん(右)はコーヒーの“正解のない良さ”に引き込まれ、自分の店を持つように。
ミルクを入れたり砂糖を入れたり、人によってアレンジが違うけれど幅広くみんなが好きな飲み物。若い人も、コーヒーを買いに連れられてきた子どもも楽しそうにしているのを見ることができるのが良さだと教えてくれた。
伊槻さん(左)は自宅で自家焙煎し、ネット販売しているほどのコーヒー好き。『珈琲焙煎所じゅん』という屋号で営む。
ここでいただけるコーヒーは4種類。
オリジナルの[クエイルブレンド]をはじめ[深煎りブレンド]、[シングル]2種(取材時はコロンビアの浅煎り・エチオピアの深煎り)、[カフェインレスコーヒー](全て600円/100g)で、試飲して好みの味わいをセレクトすることができる。
普段使いのできる味、誰でも飲みやすい味を目指しているとのこと。
コーヒーの他には木頭でとれたゆずの果実を使用した[ゆずラテ](550円)や[ジンジャーチャイ](550円)、[みかんジュース](500円)など30種類以上のドリンクから好きな一杯を選ぶことができる。
ロースターは1kg釜のかわいい[FUJI ROYAL]。オープン中も稼働し続け、香ばしい香りがお店の外まで漂う。
常時焙煎することが多く、その日焙煎された豆を手に入れることができる。豆は時間とともに味が変化するため、違いを感じられる楽しさがある。
そんなコーヒーのおいしい淹れ方を教えてもらった。
おいしいコーヒーの淹れ方
クエルブレンド 1,200円/200g
ほどよい深さにすっきりとした味わい。店の前に出ている椅子に座ってまったりといただく。のどかなこの場所で飲むコーヒーは癒しそのものだ。
小さな子どもも楽しめるようにと、机の引き出しには折り紙が詰まっている。
豆情報
・シングル2種(1,200円/200g)
・カフェインレス(1,200円/200g)
マスターにとってコーヒーとは
「どんな世代の人も集まれる真ん中にあるもの」。
コーヒーを介せば合うはずのなかった世代の人に会うこともできる。
「コーヒーが繋いでくれるものがたくさんあればいいな」と井口さんはにっこり笑う。
店横の農道からは畑仕事終わりのおじいちゃんがトラクターで店に訪れることもあるという。まさしくコーヒーが繋いだここにしかない光景である。
自家焙煎 クエイル珈琲
- 住所/ 名西郡石井町高川原字天神 709-1
- 電話/-
- 営業時間/ 10:00~16:00
備考/土曜、祝日は〜15:00
- 定休日/月、日
- 駐車場/1台