【2024.4月OPEN】TONPUKU（トンプク／勝浦郡上勝町）自然の恵みいっぱいの元気になるジェラートを、上勝町から全国へ

古民家のドアを開けると、木々やグリーンであしらった自然の雰囲気いっぱいの空間。玄関で靴を脱いで店内へ。本日のフレーバーが書かれた黒板には、イタドリ、トンカ、クロモジ…と見慣れぬ文字が並ぶ。

お店に入ったときの爽やかな香りが印象的。

ここは上勝町にオープンしたジェラート屋さん。山の恵み、農の恵みをふんだんに使ったオリジナルジェラートをそろえ、食べる人に癒しと元気を与えてくれる場所。イタドリは山菜、クロモジは植物、トンカは芳醇な豆で、アイスやジェラートとしてはあまり目にすることがない素材。これらを自然の風味いっぱいのジェラートに仕立てる。

ジェラートはシングル650円、ダブル750円。

左が［上勝の山で採れたイタドリ］と［あおとくるの紅甘夏］、右は［さっぱり美味しいヨーグルト］と［佐那河内村キウイフルーツ］。イタドリは甘酸っぱい爽やかな風味とわずかに感じる繊維、山の香りが見事な山菜ジェラート。紅甘夏は筋まで使用することで苦みを残しフルーツをまるごといただいているかのよう。キウイフルーツもキウイそのものよりもキウイ、ヨーグルトはメニュー名通りさっぱりでフルーツ系と合わせるとよりおいしい。

友人のシェフやパティシエに相談に乗ってもらいながらレシピ開発をするなど、2016年に勝浦町に移住してから出会った人とのつながりから生まれた。

店主は勝浦町に移住して、みかん栽培と農家民宿を営んできた石川さん夫妻。みかんの最盛期は収穫・出荷で大忙しな日が続くが、そんなとき1日の終わりにお気に入りのアイスを食べる時間が至福だったという。「今日もアイスがあるから頑張ろう」と日々の活力となった経験から、ジェラート屋さんの開業を決意。食べた人を元気にする＝頓服薬のような存在に、と店名は『TONPUKU』に。

石川さんの農園『あおとくる』の紅甘夏の果実。ジェラートにしたときにフルーツの甘み・酸味・苦みが表現できるように剥き方までこだわる。

県内外の農家さんとのつながりを活かして、自身も農家であるからこそ知っている魅力やおいしさを丸ごとジェラートへと閉じこめる。素材を贅沢に使うのも、そのもののおいしさをジェラートで表現するため。夏に向けてパイナップルやマンゴー、アセロラ、シークワーサー、ゲットウなど、南国フレーバーにも意欲的だ。

縁側で山々の音を聞きながら、自然の恵みから生まれたジェラートをいただくご褒美の時間。目の前にはすばらしい景観が広がる。

取材時はプレオープンのため木のスプーンだったが、オープン後は何度も使えるアルミ製スプーンで提供される。

全国の自治体で初めて「ゼロ・ウェイスト宣言（廃棄物ゼロ宣言）」を行い、サステナブル社会の実現に取り組む上勝町。ジェラートカップは100％生分解性素材で、土に埋めると分解される。スプーンは洗って使えるアルミ製にし、環境に配慮。

持ち帰り用の蓋つきカップ（600円）。疲れたときや元気が欲しいとき用に、冷凍庫に忍ばせておける。全国発送にも対応しており、オンラインショップから注文が可能。心身を癒すご褒美アイスを上勝町から全国に届ける。

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