どーもー、がんもです。
我が家の子どもたちは食べることが大好き。とくに1歳半のムスメの食欲といったら。それはそれは凄まじい。
朝ごはんにはだいたいおにぎりを提供しているのですが。
がんも
はい、おまたせー。あ、お茶もいれるわな~
お茶を注ぎ、この場に戻るまでの時間、秒である。イリュージョン級の速さで(米を飛び散らかしつつ)、完食。おいしいもんね、おにぎり。分かる、分かるよ・・・。
というわけで本題。今回は「お米」の話題! 佐古のお米屋さんが生み出したブレンド米が、コンクールで賞をとったらしい!
米好きのムスメのためにも、これは早急にリサーチせねば。ということで突撃してきました!
佐古一番町にある『関山米穀店』。昔ながらのお米屋さんの雰囲気です。
がんも
すご!!!(驚)
入店してびっくり。賑々しくポップがズラリ!!! コレぜーんぶ、お米の紹介。
こちらが店主の関山隆大(せきやまたかひろ)さん。150年以上続く米穀店の六代目!
関山さんが受賞したのは、アイホ―炊飯総合研究所主催の”炊飯・米飯商品米国際コンテスト”の【お米のブレンダー賞】で「特A」、また【おにぎり部門】での大賞と、いずれも最高ランク!
がんも
さっそく、受賞したブレンド米を見せてくださ
関山さん
残念ですが…
がんも
えっ
関山さん
ご覧のとおり、店先にもこれだけしかお米もおいてなくて。今の時期は取り扱っている米自体が少ないんですよ。受賞したお米も限りがあって、すでに完売しています。使用した品種には、なかなか手に入らないお米もあるので・・・
がんも
(…店先にこれだけしかってことは…、この状態、‟少ない“んだ…)
言われてみれば、お米がおいしい季節と言われているのは秋口。取材時7月初旬、少ないのも納得。新米を入荷するまでもう少しお待ちを、とのこと。
写真は冬時期の店内の様子。入荷が多くなってきたら約50種類の品種が並ぶように。天井までびっしり。
がんも
なかなか手に入らないお米も使ったということですが、【お米のブレンダー賞】で特Aを受賞したブレンド米はそれほど高品質のお米を使用しているんですね!ますます残念です(しゅん)
関山さん
使用したのは徳島県の[あきさかり]、香川県の[おいでまい]、高知県の[にこまる]、愛媛県の[ひめの凛]と、四国4県の質の良いお米です。ブレンド米というと2~3種を混ぜるのがスタンダートなんですが、今回は自分の色を出したくて4種類混ぜることに挑戦してみました!
がんも
ブレンドしたお米って、味が変わるものですか?
関山さん
全然ちがいますよ!単体でおいしい品種でも、ブレンドしたらイマイチになることもあります。今回使用した他3県のおいでまい、にこまる、ひめの凛の3種の米は主張が強めの品種だったんですが、それを控えめな味わいの徳島県産[あきさかり]がうまくまとめて調和させてくれた、という感じです。
がんも
なるほど・・・!
関山さん
四国は米を生産しているイメージが薄いこともありますし、良い米が作られていることを多くの人に知ってもらえたら嬉しいですね。
また、おにぎりにした時の仕上がり、潰れにくさ、再加熱したときの味わいなどを評価される【おにぎり部門】でも大賞を受賞!(そのほか、すし米や丼物、白米など部門がいろいろあるそうです)
関山さん
実は去年もコンクールに参加していて、その時入賞したのは【丼物部門】。今年はさらに力を入れて挑み、狙っていた【おにぎり部門】の大賞をとれたのでうれしかったですね~
がんも
おにぎり大賞・・・何より、響きが良い!!! ズバリ、受賞できた理由はなんだと思いますか?
関山さん
全国たくさんある米の品種をとにかく色々食べ、よく知り、とことん探求してきたことで配合や調和に活かせたと思っています。
受賞した背景には、お米マイスターである関山さんの情熱があるようです。その情熱と、さっきから気になっている・・・このポップの可愛いお米さんたちの正体に迫ってみましょう。
店に入るなり目に飛び込んでくるこのポップ。すべて関山さんの手作りだとか。
関山さん
実際自分が食べてみて感じたことを、このポップに表現するようにしています。この表を参考にしてもらって・・・
がんも
味チャート、ですか!
関山さん
品種によって、本当に味が違うんです。甘味が強い、弾力がある、柔らかい、バランスが良いなど・・・そして、お客さんによって全然好みが違うんですよ。だからただ単に「おいしい」と表現するのではなくて、私のベロ(舌)メーターで感じた、品種の特徴や長所を伝えたいんです。
がんも
ベロメーター(笑) そして表情を描いたイラストで味を表現・・・素晴らしい手法だと思います!
関山さん
品種の特徴って、人のルックスと似ているなと思ったんです。濃い顔の人がいればあっさり顔の人がいて、しっかりした体系の人がいればスマートな人もいる。米の味を表情のイラストで表せば、伝わりやすいんじゃないかと。お客さんからも好評です!
イラストだけでなく、言葉選びにも注目してほしい。心地良いリズム感のキャッチコピーが素晴らしい!加えて味の特徴だけでなく、その米に合う料理やオススメの食べ方など細かく、分かりやすく表現しています。編集の勉強をさせていただいているような気分だ・・・。
がんも
創業150年以上ということですが、多くの品種を取り揃えて販売し始めたのは六代目から?
関山さん
はい、7年ほど前に私が始めました。
がんも
ほー、幼いころから慣れ親しんだお米への愛の集大成といった感じですね!
関山さん
いや、実は最初、米には全然興味がなくて。
当初、お米には無関心だったという関山さん。品種の中でも有名な[コシヒカリ]が一番おいしい、それ以上のものはないと思い込んでいて、店にもそれしか置いていなかったそう。
関山さん
売り上げが低迷していくなかで、たまたまテレビで佐賀県の品種[さがびより]が紹介されていたのを見かけました。「米と言えば東北だろう」と思っていたし、九州の米ということで初めて知る品種だったんですが、どうしても気になって。徳島の卸業者では取り扱っていなかったので、佐賀県の農協に直接電話して送ってもらったんです。
送られてきた[さがびより]の玄米を目にした瞬間、その違いが分かったといいます。綺麗で、ひとつひとつの粒にボリュームがある。炊いて食べてみると、さらに衝撃を受けたそう。
関山さん
今まで食べたことないぐらい、おいしかったんです。[さがびより]に出会い、それまでの「米はコシヒカリが一番」という固定観念を覆されました!
[さがびより]との出会いをきっかけに、「もっと米について知りたい、いろいろな品種の米を食べてみたい」と目覚めたそう。ほかの米屋さんに品種の情報をもらったり、時には米を手に入れるため他県に足を運んだり。全国の品種を取り寄せては実食することを繰り返す日々。そうして、品種ごとに個性があり、異なるおいしさがあることを知り、その良さをみんなに伝えていきたいと強く感じた関山さん。
がんも
関山さんのベロメーターには、そんなバックボーンがあったのですね…
関山さん
「米穀店」と名乗る以上、お米の専門店らしくあらねばと思っていました。それなら、どこででも買える米をマーケットと同じように売っていてはダメだと思い、様々な品種の米をこのような形で売ろうと試みました。
多種の米を売り始めて、お客さんの声で気づくこともあったそう。
関山さん
さっきも言いましたが、お客さんによって全然好みが違うんですよね。私が「おいしいですよ」と言って売っても、後日そのお客さんから「あの米、おいしくなかったわ~」と言われたり。
たとえば、お年寄りの場合。昔、出回っていた米は炊いてもパサっとしたものが多く、おかずも質素だった。だから、もちもちとしていて甘味が強めのお米を贅沢に感じ、それを好む傾向があるんだとか。
逆に若い世代は食が多様化された時代を生きているので、濃い味の料理を邪魔しないような、ほどよい味わいの品種が支持を集めたりする。おもしろー!
ほかにも、チャーハンにぴったりなお米だとか、お茶漬けにもってこいのお米だとか。とにかくめっちゃ種類豊富にお店に並んでいます。
関山さん
お米も嗜好品の時代が来ていると感じます。「あんたのベロメーターを信用するわ」と買ってくれるお客さんもいるので、常に探求心を欠かしません。家でも食べてみて、味が落ちたなと感じた米は店に置かないようにしています。
米は白米にすると劣化が進むので玄米で置いているそう。注文した分を店頭で精米して販売してくれます。
食べ比べを楽しんでもらえるよう、各種1㎏~購入可。詰め合わせにして、ギフト用に購入する人もいるんだって! (写真は1㎏)
関山さん
ずっと、「米屋とは何だ?」と悩んできたんですが、今はお米マイスターとして自信をもって米を売っています。
がんも
「どのお米を買おうかな~」とワクワクさせる店づくりに圧巻です! 今後の目標を教えてください!
関山さん
コンテストはもちろんですが、より多くの人が米に興味を持ってくれればと思います。米離れと言われているこの時代、みなさんに関心を抱いてもらうことは米の価値を高めることになります。生産者さんの志気を高めるためにも、頑張っていきたいと思います!
小売業は、商品の良さを伝えることができる。自分自身が知識を深め、誰かにアピールしていくことは、商品に命を吹き込んでいくことだと思う、と関山さん。徳島県でも米の新品種がたくさん登場しているそうなので、県民にも知ってほしいとのこと。